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ColorfulDays!



「懐かしい夢?」


「うん。昔の思い出が今日の夢に出てきてさ…。どうも今日一日その夢の内容を引きずっちゃってて」



朝練と午前中の授業を終えて只今お昼休憩中の私達。私とあかりはいつも屋上でご飯を食べている。真下の校庭でサッカーをしてる生徒の声が聞こえてくる中、今日見た夢の出来事をあかりに話した



「で、その夢の内容ってどんなだったの?」

「んーっとねー…勉強もスポーツもなんでも出来る男の子が出てくるんだけど、私はそんななんでも出来ちゃうヒーローみたいなその子に憧れてたのね。でもその反面私は何やっても中途半端で幼心にそんな自分にコンプレックスを感じてたわけよ。そんな時にその子がなんも取り柄もなかった私にテニスをやってみたら?って勧めてきたの」

「ほー!じゃありり子がテニスを始めたきっかけって」

「うん。その子がくれた言葉からなんだ。それからテニスを始めてみたら自分でも驚くほど夢中になってさー!あの頃は暗くなるまでひたすらテニスばっかやってたなー」



思い出に浸ってる私の横でチューッと紙パックを飲み干すあかり。そして飲み終えた紙パックを軽く潰した後に茶化すように口を開いた。


「なーるほどね!その子がりり子の初恋なわけだ?」


にやけ顔で問いかけてくるあかりの言葉に顔が熱くなる


「ばっ!違うって!!何言い出すのさ、もう!!」


「あはは!動揺しすぎ!ちなみにその子の名前は覚えてないの?」


名前という言葉にピタリと動作が止まる


「…せーちゃん?」

「せーちゃん?」

「うん。せーちゃん」

「それだけ?」

「それだけ」



私の言葉を最後に顔を見合わせて二人同時にため息をつく。



「それだけじゃ誰だかまったくわかんないじゃん」

「しょーがないでしょ!忘れちゃったんだから」

「てか普通そんな人生変えてくれた人物の事忘れるー?」

「うっ!しょーがないじゃん!もともと忘れっぽい頭なんだからさー。昔の記憶なんで誰だって曖昧なもんでしょ?」

「あかりは子供の頃の記憶は鮮明に残ってるけどねー!まあいいんじゃない?初恋は実らないって言うしかえって思い出さない方がいいかもねー」

「え!?初恋って実らないものなの?」

「って聞いたことあるよ?少女漫画的な展開ならあんたはそのせーちゃんと近々再会してトントン拍子に進展してハッピーエンドを迎えるんだろうけど…まあ現実は再会することもなく赤の他人のままお互いまったく違う人生を過ごしてく結末になるんだろうねー」



現実って厳しいって叫んでるあかりを余所に「初恋は実らない」という言葉に柄にもなくセンチメンタルな気分になった



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あきゅろす。
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