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NO.3




保証人になるのは簡単だった。



父さんたちの決意もまっすぐで、疑いもせず、揺らいだりもしなかった。


何よりも



その友達を信用してたんだと思う。



『こんな真面目に頑張ってる奴が、成功しないはずがない』と‥



ほんとに根拠の無い美しく残酷な考え。
父さんたちは疑うことはしなかった。
バカみたいに信じてて、ばかみたいにお人好しだった。



‥それがやっぱりだめだったんだ。



だからこそ




父さんと母さんはその書類にまったく気づかなかった‥




保証人としてサインをしたのは、裏金融会社の書類だったんだ。
それはつまり借金の連帯保証人になる、とゆうことだった。その人は‥父さん達に借金を押しつけた。



それからすぐにそれはわかった



数週間後、その人から電話があった。
『店を明後日に開店させるから是非みにきてほしい』と‥


父さんたちは喜んだ。
あいつの夢が叶って‥保証人になってよかったと‥ただ明後日を待ち遠しく、ほんとに嬉しく思っていた。









明後日、目的地についた父さんたちは



















その場所を見て絶句した。


















明後日に開店すると言っていた店‥その場所は




















古い埋立地だった‥。






















それからその友人と連絡がとれなくなった。
自宅まで行ったが、引っ越したのか、もぬけの殻だったらしい。



変わりに置き手紙が部屋の中から発見された。詐欺をしたことの‥せめてもの罪滅ぼしだったんだろう。



そこには、騙したこと、店を出したいなんて真っ赤な嘘で、父さんのサインしたのは闇金融会社からかりた金の保証人の書類だったこと、自分が働いてたのは闇金融会社から借りた金を返すためだったこと。それだけが淡々と綴(つづ)ってあっただけだった‥。




手紙にはそれ以上なにもしるされてない。
そのときようやく父さんたちは気づいた。




















あぁ、



















『俺たちは騙されたのだ』と。











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