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NOVEL
二人しか知らない。(山ツナ)














雪がキラキラと舞う。

吐き出される息は真っ白で、純粋だ。


そんな感慨にふけっていた山本武は宿題がまだ終わっていなことを思い出し、窓を閉めた。

椅子に座り、溜息をつく。

今日、親は旅行に出かけていて一人だ。

勿論店は休みである。















ガラガラガラッ









戸をあける音がして、山本は立ち上がり、階段を下りた。

「今晩は。今日はお休みでして・・・」

彼は驚嘆して口を閉じた。

「今晩は、山本。」

「ツナ・・・。」

そこには、クラスメイトの沢田綱吉が立っていた。

「どうして・・・。」

山本が口をパクパクさせていると、ツナはにっこりと笑った。

「今日、山本が一人って言ってたから・・・さみしいかと思って。」

ツナの体は寒さのためか、少々震えている。

「わざわざ来てくれたのか。」

「うん。」

ツナがまた満面の笑みを浮かべた。

「寒かったろ。あがれよ。」

山本はツナの手を引き、階段を上った。

自分の部屋に連れ込むと、山本はコートを脱いでいるツナを見やった。

外はとても寒かったというのに、彼はコートの下にジャージ姿だった。

「ツナ、寒くねぇの?」

「ちょっと寒い。」

ちょっとどころではないだろう。

「俺があっためてやる。」

「え・・・山本?」

ギュウッと抱きしめられ、ツナはおろおろする。

「苦しいよ・・・山本・・・。」

「ツナ、いい匂いがする・・・。」

山本がツナの頭を抱え込むようにして、抱きしめる。

ツナの顔は山本の胸に押しつけられ、息がし辛くなった。

「山本・・・。」

「耳もこんなに冷たくなって・・・。」

耳元で囁くと、彼はヒャアと言って飛び上った。

「呼気があったかいだろ。」

ハァっと温かい息をかけると、ツナは声を上げる。

「っぁあッやッッン。」

「そんなに甘い声出して・・・。」

山本はツナの耳元で囁いた。

「誘ってるの・・・?」


























その後、二人はホカホカに温まったということだ。

何をして温まったのかと・・・?

それは・・・








































二人しか知らない。































捧げます。魅鳴に。
いつもありがとう。

そして、読んで下さった方、ありがとうございました。


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あきゅろす。
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