[通常モード] [URL送信]

NOVEL
保健室(シャマバジ)
「恩返し」の続きです。15禁






















なんだか頭がガンガンする・・・

それとは対に、眠たい・・・

起きたくない・・・起きたい・・・









目を覚ますと、ベッドの上だった。

「・・・・・・?」

少し、首を巡らし起き上がろうと試みる。


「・・・くっ・・・。」

頭にひどい頭痛を感じ、彼は思わずうめいた。

「よう、目が覚めたのか。バジル。」

視界の外から声が聞こえる。この声は・・・

「シャマルどの・・・。」

ということは、保健室か。バジルは納得した。

「拙者は一体・・・。」

「あの暴れん坊主に殴られたらしいじゃねえか。」

そうか・・・拙者は殴られて・・・どうしたのだろう。


「こいつが連れてきてくれたんだぜ。」

シャマルが隣のカーテンをあけると、そこには、顔面

蒼白の野球バカ少年が横たわっていた。

「や・・・山本殿!」

「あいつに殴られたらしくてな。結構出血してたんだ。」

シャマルは、俺は男は診たくねえのに・・・と呟く。

「そんな状態で拙者を・・・。」

「ま、よく感謝するんだな。」


そして、シャマルは何を思ったのか、棚からタオルを

何枚か出してきた。


「シャマル殿・・・?」

彼はそのタオルを、一枚で山本の手首を縛り、もう一

枚で彼の目を縛り、そして最後の一枚でさるぐつわに

なるように、口もとで縛った。

「何をなさっているんですか!?」

バジルは驚いて起き上がろうとするが、頭痛でうまく

いかない。



「何って・・・邪魔をされないようにな。」



バジルは、何を・・・と問おうとしたその口を、シャ

マルの唇によってふさがれた。

「ん・・・っ。」

バジルは抵抗する。

幸い、触れるようなキスだったので、バジルはすぐに

逃れることができた。

「何をなさるんですか!」

バジルが怒鳴るとシャマルはバジルの口を押さえた。

「外に聞こえちゃうだろ。」

「むぐ・・・。」

バジルはできるだけ身を捩って彼の手から逃れようとした。

その細い手首を掴まれる。

「んんん・・・!!!」

シャマルの力はバジルに比べれば圧倒的に強く、バジ

ルの細い手首はひと束にまとめられてしまった。

「何をなさるんですかッ・・・。」

「こういうときでも、お前って敬語なんだな。」

シャマルはバジルに顔を近づける。

「抵抗しなきゃ、直に帰してやるよ。」

ビクッと肩が震えたのがわかった。

「一々の反応が可愛いな。そこらのお姉さんとは張り合えないくらいに・・・。」

そう言ってシャマルはバジルの顎を掴んだ。

「イヤです・・・。」

バジルは咄嗟に顔を背けようとする。シャマルは笑った。

「抵抗しないんじゃなかったのか。」

彼ははっとして抵抗をやめたがもう遅い。

「今日は帰さねえ・・・。」










ガゴンッ!!!!









!?









凄い音がした。










「男を襲うなんて、趣味悪いのな。」


そこにはベットを派手に破壊した山本武が立っていた。

「野球小僧、邪魔しやがって・・・。」

「どいつもこいつも・・・バジルに手、出すんが好きなんだな。」

「山本殿・・・」

シャマルに顎を持たれた状態でバジルは助けを求める。

「オッサン・・・。」

山本に殺気を向けられ、シャマルは渋々バジルを解放した。

「大丈夫か・・・バジル。」

「はい・・・。」





そして二人の少年は保健室を出た。







「バジル・・・?」

「はい?」


しばらくボーっとしていたバジルだったが、山本に名を呼ばれ、ふっと我にかえった。

「我慢しなくてもいいんだぜ。」

「え・・・?」

何を・・・と問おうとしたバジルは次の瞬間には、山本の腕の中に収まっていた。

「山本殿?」

「怖かったんだろ・・・?」

「・・・」

「泣きたいときは遠慮せずに泣けよ。こうしておけば、俺お前の泣き顔見られねぇし・・・。」









少し間を置いて、長身の少年が金髪の少年をやさしく包み込んだ。

そして、金髪の少年の肩が震え始めた・・・





















☆★☆★☆★☆★

BLらしき小説第2弾です。
ちょっと書いてみたくなった、「オジサンVS少年」
こんな駄文につきあってくださった方、ありがとうございました。
感想は「BOARD(掲示板)」もしくは「MAIL(メール)」にてお願いいたしますw


3/27ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!