先生≠彼【完】
♯7
さっき、けいちゃんの指はずぶずぶと飲み込んでいったのに、大きさも形も違うそれは、さすがになかなか入らない。
我慢しなきゃ、と思うんだけど、めりめりと身体の中央を裂いていくような痛みに、脂汗が滲んで、呻き声が出ちゃう。
あたしが身動ぎする度に、けいちゃんはちょっとずつ角度を変えて、あたしの中に入ってくる。けいちゃんの顔は真剣そのもので、あたしは多分、不安げな顔してて、恥ずかしさも気持ちよさもとっくにどっか行っちゃって。
まるで、何かの儀式みたいだった。
「けい、ちゃん」
あたしは下から大好きな顔に手を伸ばす。
「ごめ、もうちょっと我慢出来る?」
けいちゃんはまた謝って、あたしにキスしてきた。けいちゃんの舌が、あたしの口の中に入ってくる。もっともっと。あたしをけいちゃんでいっぱいにしてほしい。
ぎゅっと、けいちゃんの首にしがみつくと、あたしとけいちゃんの密着度がまた増した。
「全部入っちゃった。千帆の中、狭いけど気持ちいい」
「…ほんと?」
「うん」
あたしの額に滲んでたらしい汗をけいちゃんは大きな手で拭ってくれる。
「…教師失格だな、俺」
ごめんね、けいちゃん。けいちゃんは、最後の一線だけは踏みとどまってくれてたのに。あたしが、もっともっと、けいちゃんと近くなりたかったから。
「だったら、あたしは生徒失格だね」
でも、間違った道でも、けいちゃんと歩くなら怖くない。だからけいちゃん、迷って立ち止まらないでね。その手離さないでね。
「けいちゃん、大好き…」
「俺も千帆大好きだよ」
またキスを重ねると、頭の天辺から腰のとこまで、けいちゃんとピッタリ触れ合える。お腹は裂けそうに痛いし、けいちゃんを受け入れるために開いた脚は、カエルみたい。
あたしの反応を探るように、けいちゃんはゆっくり腰を動かす。突き上げられると、また別の痛みが襲ってきた。痛い。壊れちゃうよお。
けいちゃん、もうやめて。
叫び出したいのを懸命にこらえた。けいちゃんの髪を抜けるくらい引っ張っちゃって。
「いてっ」
けいちゃんが上で呻く。
「ご、ごめん、けいちゃん」
「いや、千帆のが痛いよな。いいよ、俺の髪くらいハゲるまで引っ張っても」
「そんなのあたしがいやあぁぁぁぁっ」
ハゲてもけいちゃんイケメンだと思うけど、あたしの気持ちは変わらないと思うけど、でもやっぱり嫌だ。
裂けちゃいそう。痛みしか感じなかったのに、何度も擦られる内壁は、次第にけいちゃんの形にフィットしたのか、少しずつ痛みが和らいでいく。
好きな人の身体を受け止められるように出来てるのかな。女の身体って不思議。
「あぁ…っん」
あたしの声にも、苦痛以外のものが混じりだしたと気づいたか、けいちゃんは一層腰を強く打ち付け始めた。
律動の早さに激しさに、引きずり込まれるように、あたしも興奮の坩堝に叩き込まれる。
「ひゃあぁぁん、けいちゃん…っ」
「感じる?」
「わ、かんないよおっ」
わかるのは、またあたしの中から蕩けそうな蜜が迸り始めたことだけ。
「千帆、ありがと。愛してるよ」
あたしの腰を持ち上げて、けいちゃんが放ったものがゴム越しに伝わるのを、あたしは恍惚としながら受け止めた。
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