先生≠彼【完】
♯8
何で? あたしの言葉を誰も聞いてくれないのは、あたしが未成年の子どもだから?
電話の相手は、校長先生かな。様々な問いかけをされてるのか、お母さんは「はい、そうです」とか「いえ…」とか。そんな受け答えばっかりしてる。
でも、ふいにお母さんは。
「慧史くんは娘の彼氏で婚約者です。とても節度のある交際をしてて、お互いの気持が真剣なので、認めました」
きっぱりはっきり宣言した。
思わずお母さんの顔を見ると、お母さんはあたしを安心させるようにふわっと笑った。
長く長く感じたけど、お母さんと校長先生の会話は5分くらいかな。受話器を置いて、お母さんはふうと大きく息をついた。
「どうなったの?」
「うん…もっとじっくり話を聞きたいから、今夜、うちにお邪魔します、って」
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