先生≠彼【完】
#8
「濡れてるよ、千帆」
「やあ…っ」
あたしは両手で顔を覆った。恥ずかしい。その隙にけいちゃんの指は、ショーツの中に入ってくる。くすぐったいのと気持いいのと恥ずかしいの。いろんな気持ちが混ざり合って、あたしはキッチンの作業台に後ろ手に手をついて、立ってるだけで精一杯だった。
「け、いちゃん…」
「もっと気持ちよくしてあげる」
けいちゃんの指は、割れ目の中に入ると、くちゅっと水音が響いた。濡れてる、ってこういうことなんだ。
けいちゃんの指先はくちゅくちゅとあたしの中を動き回る。キスしてる時の舌の動きみたいに。もっと奥に入ってきたけど。
「いたっ」
あたしが顔をしかめたから、けいちゃんはそこで一回あたしの中から指を抜いた。
ほっとしたような、残念なような複雑な気持ち。
「千帆、バージンだもんね、これ以上は入らないか」
立ち上がってけいちゃんはくすっと笑う。
「ご、ごめんなさい…」
「なんで、謝るの? 教えてあげるよ、これから俺が。気持ちいいこと、いっぱい」
そう言ってけいちゃんは、またあたしの唇を吸い上げる。けいちゃんにキスされると、あたしの言葉も思考も奪われてく。
また、あたしの中にけいちゃんの指が入ってく。今度は、奥に突っ込むんじゃく、二本の指があたしの感じるところを探すみたいに、ゆっくりと動かされる。
「…あぁん…」
じんわりとした刺激に、あたしの中のあたしは、確実に悦んでる。水音が、大きくなった。
もっともっと…って、ねだるみたいに、あたしはけいちゃんにしがみつく。膝が震える。腰が揺れる。
「け、いちゃん…先生でしょ? ダメだよ…」
「今は只の遠藤慧史って男だよ。千帆」
けいちゃんの指は、もう1本増えた。気持ち、いい。自分がふわりとどこかに飛んでいっちゃいそうな感覚。
こんな感覚味わったことないのに、あたしの本能が絶頂を求めてる。
しっとりと濡れたけいちゃんの指が突起を摘むと、膨らみすぎた風船が、ぱあんと割れたみたいに、欲望が爆ぜた。
「や…あぁぁぁん。けいちゃん…っ、気持ちいいよぉ」
必死にしがみついてきたあたしを、けいちゃんは優しく抱きとめて、キスしようとする。でも、恥ずかしくて、何度も子どもがいやいやするみたいに首を左右に振った。
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