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反逆アリス


「なんか、格好悪い・・・。」

涙が出たのなんて、いつ以来だろう。

多分相手が風魔だからって事もあるんだろうけど、自分がこんなに弱い人間だって再確認した。


「・・・。」
「ごめん、・・・僕、なんにも出来ない。なんとかしたいのに。」

まだやり残した事がたくさんあるのに、もっとやりたい事が数え切れない程あるのに。

「離れたく無いよ。」

同じだ、僕も臆病なんだ。
離れるのが怖い。怖いけど何も出来ない。
ただこうやって吐き出すだけ。


無力だ。

「・・・っ。」
「え?」

「・・・・・・。」

突然差し出されたスケッチブックに目を向ける。

『離れていても、想いは消えてしまわないだろう?』

風魔はスケッチブックに文字を書き続ける。

『初め、それを告げられた時には俺も恐らく悲しかった。
けれどその後、例え遠く離れてもその相手を想い続ける限り、心はいつも近くにあると聞いた。』

そんな事言うのは、慶次くらいだよね。

『ならば俺は一生、彩柊を想い続けようと思ったのだ。
心だけでも側に在りたいから。』

「風魔・・・。」


『だから悲しまないで欲しい。その時に思い出すのは、泣き顔より笑顔が良い。』

そんな事言われたら、余計泣きたくなるに決まってる。

だって、風魔が僕の事を本当に好きでいてくれてるってわかったから。

「あ、りがと・・・。僕もずっと、風魔の事想ってる。」

今絶対情けない顔してる。
けど目を逸らせない。逸らしたくなかった。

それからどちらともなく、触れるだけのキスをした。

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あきゅろす。
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