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反逆アリス


結局、時間いっぱい使ってほとんどの種類を制覇(主に僕が)した。

店員のあの引き攣った笑顔は傑作だったよね。確実にブラックリストだけど気にしない。

「まぁ、なかなか美味だったな。ちょこけーきというものは。」
「気に入ったんだね。・・・今度は生ドーナツとか食べに行こうか。幸村も誘ってさ。」

「それは店が潰れるような気がするのだが。」
「大丈夫でしょ、多分。」

この不景気な時代に、儲かるのは良い事だよね。
よく知らないけど。


「・・・彩柊よ。」
「ん?」

「貴様も笑えたのだな。」
「なにそれ。」
『無表情と、不機嫌な顔しか見た事がなかった。』
「えー、風魔まで言うの?」

そんなに驚く事かな。
たしかに最近はあんまり笑ってなかったけどさ。

「良いじゃん。久しぶりに楽しかったんだ。」

思わず笑えるくらい。

「ていうか、みんなが来てからは結構楽しいよ。疲れる事のが多いけどさ。」
「以前は楽しくなかったのか?」

「そうだね、あれは二度と経験したくないな。」

まぁ、あの時みたいな事なんてそうそう無いけどさ。

「この話は終わり。早く帰ろう、兄貴達待ってる。」

だから楽しいうちは楽しい事だけ考えさせて欲しい。
いつまでも続く訳じゃないから。

「・・・なんて、悲観的かな。」
「・・・・・・・・・。」

「なんでもない。大丈夫だよ。」

そうは言っても、出会いと別れは表裏一体。
時計の針は今この瞬間も止まらずに進んでいるんだよ、なんてシリアスチックに語ってみる。

続く

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