反逆アリス
4
結局、時間いっぱい使ってほとんどの種類を制覇(主に僕が)した。
店員のあの引き攣った笑顔は傑作だったよね。確実にブラックリストだけど気にしない。
「まぁ、なかなか美味だったな。ちょこけーきというものは。」
「気に入ったんだね。・・・今度は生ドーナツとか食べに行こうか。幸村も誘ってさ。」
「それは店が潰れるような気がするのだが。」
「大丈夫でしょ、多分。」
この不景気な時代に、儲かるのは良い事だよね。
よく知らないけど。
「・・・彩柊よ。」
「ん?」
「貴様も笑えたのだな。」
「なにそれ。」
『無表情と、不機嫌な顔しか見た事がなかった。』
「えー、風魔まで言うの?」
そんなに驚く事かな。
たしかに最近はあんまり笑ってなかったけどさ。
「良いじゃん。久しぶりに楽しかったんだ。」
思わず笑えるくらい。
「ていうか、みんなが来てからは結構楽しいよ。疲れる事のが多いけどさ。」
「以前は楽しくなかったのか?」
「そうだね、あれは二度と経験したくないな。」
まぁ、あの時みたいな事なんてそうそう無いけどさ。
「この話は終わり。早く帰ろう、兄貴達待ってる。」
だから楽しいうちは楽しい事だけ考えさせて欲しい。
いつまでも続く訳じゃないから。
「・・・なんて、悲観的かな。」
「・・・・・・・・・。」
「なんでもない。大丈夫だよ。」
そうは言っても、出会いと別れは表裏一体。
時計の針は今この瞬間も止まらずに進んでいるんだよ、なんてシリアスチックに語ってみる。
続く
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