01:笑顔 空と重なる。 太陽とダブる。 貴方の眩しい――。 「おぉ!滝夜叉丸だ!」 「七松先輩」 「何やってんだ?」 「実習中です」 「へーっ偉いな!」 「いえ、四年全員なので…」 「はは、そっか!」 嗚呼、この人は本当に…。 そう。例えるなら頭上に遠く輝いているあの陽のように。 この人も本当は、遠く手の届かない場所にいる筈の人なのに。 その距離も全く気にせず、私の手の届くすぐ近くに来てくれる。 でも近くに来てもなお、その光は弱まる事を知らずに輝き続けている。私にはその輝きは眩しすぎるのだ。 決して劣等感がある訳ではないのだが、どうしてもこの人には敵わないのだと思う。実力も人柄も…全てが。 そしてその輝きは、私の心をいやにくすぐった。 胸の奥の奥に侵入してくるようにゆっくりと、確実に。 胸の疼きと瞼は繋がっているのかと思う程反射的に、私は目を細めた。 「またな!」 そう言って再び笑う彼が眩しくて。 ――笑顔は陽のように。 . |