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トラウマだって乗り越えて...

「……悪かったな…」

煌夜は、ぼそりと呟いた。

「えっ?なんで煌夜が謝るんだよ?お前は悪くねぇだろ?だいたい、凜が…」

焔は、先ほどの事を思い返し、自分も少し大人になっていれば…と思ったため、凜の悪口はやめる。

「いや…。俺達は双子だ。なんで凜があんな事を言ったのか…なんとなくわかる。俺がもっと凜をちゃんと見ていてやれば…。それに…あんな事言ったのは初めてなんだ…。きっと、俺のせいだ…。俺なんかがいるから…」

しかし、そんな事などお構いなしで自分を自嘲し始めた煌夜に、焔は煌夜の話しを慌てて宥めるように遮る。

「だ、だからお前は悪くねぇ…」


「お前に何がわかる!?」


焔の言葉は煌夜の怒鳴り声にかき消される。

焔はびっくりして固まった。

その一瞬の静けさに、煌夜はハッとしたように

「ふ、風呂に入ってくる。くつろいでてくれ…。飲み物は冷蔵庫にあるから、勝手に飲んでくれて構わない」

と言うと、そそくさと部屋を出て行ってしまった。

ぽつんと取り残された焔は、

「今日は厄日か…?」

と呟いて溜め息をついた。

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あきゅろす。
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