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トラウマだって乗り越えて...

『お待たせしました。ごゆっくりどうぞ』

「で、話が逸れたが…何があったか話してくれるか?もちろん、全てとは言わない。ただ、今回の件については言ってもらう。凜も関わっているみたいだしな」

店員が注文した品を並び終えると、煌夜は仕切り直すように焔に告げる。が、

「うはぁ。やっぱりここのケーキは最高だなw」

「…そんなに美味しいの?」

そんな煌夜の話など、ケーキに夢中な2人には全く届いてはいなかった。

「美味いぞ!すげー美味い!」

「でも、甘いのあんまり好きじゃないんだよね…」

「かー!もったいねー!人生の半分、いや…3分の2は損してる!」

「そ、そんなに?」

「あぁ!もったいねーよ!なっ、煌夜?」

焔は、やっとケーキから目を離し、煌夜の方を向いた。
そんな焔に、煌夜は

「なっ、煌夜?じゃないだろう!?俺の話を聞いていたのか!?」

と言うが

「いや?全然。何か言ってたのか?」

と即答されてしまい、がくりと肩を落とした。

「とにかく、凜と何があったかだけ…」

「僕が何?」

「だから、お前と何があったか…って、えっ?」

煌夜がバッと顔をあげると、目の前には凜が立っていた。

「やぁ兄さん。偶然だね?」

「お前、なんでここに…?」
「げっ、なんでお前が…」

煌夜と焔の声が重なる。
その反応に、凜はにこりと笑う。

「やぁ焔くん。この間ぶり。家に帰ったら鷹野がまだ帰ってきてないって言うから、ここかなぁーと思って来てみた。隣いい?」

「良くない!」

「おま…君には聞いてないよ?焔くん?」

凜の顔は満面の笑み。
しかし、確実に黒い何かが醸し出されていた。

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