トラウマだって乗り越えて...
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◇◆◇◆◇◆◇
―――数時間後…
コンビニの出入り口から出てきたのは朱色に金メッシュの髪の焔。
キョロキョロと誰かを探しているようだ。
「なんであいつがここに…」
カフェで1人ぼそりと呟いた煌夜。
その煌夜を見つけた焔がこちらに向かってツカツカと歩いてくる。
そしてカフェに入って煌夜の目の前に座り深呼吸をする。
焔は覚悟を決めて話そうとしたその時。
「なんだ。お前もあそこ働いてたんだな。」
「………はへっ?」
煌夜の言葉に思わず変な声が出てしまう焔。
「……ま…まさかお前。わかってないのか…?」
「何がだ?それより。今からそこに人が来るんだからどいてくれないか?」
煌夜はそわそわしながらまた窓の外を見始めた。
一方焔は下を向いてふるふると怒りを耐えていた。
(こ…いつ。俺がどんなに悩んでズラとって来たと思ってんだよっ…。)
とにかく目の前の男を殴りたい衝動にかられたが、なんとか押し止め鞄の中から先ほどまで身につけていた黒髪を取り出す。
煌夜は相変わらず窓の外を見たままだ。
焔はその場に座ったまま、いつもの感覚で簡単に黒髪を被せメガネをつけ、煌夜を呼ぶ
「おい。」
が、こっちを見ようともしない。
「おいっ!」
もう一度、今度は少し大きい声で煌夜を呼んだ。
「なんだ…俺は今忙し…………ッ!?コンビニの麗しいお方!?」
こちらをめんどくさそうに見た煌夜は、黒髪の焔の姿を見た瞬間大袈裟なくらいガタッと席を立ち目を見開いて驚いた。
「さ…さっきまでそこにはバカが座っていたはず…あれ?」
どうやら相当困惑している様子だ。
焔は溜め息をついてから意地悪そうに口の端を釣り上げ、立ったままの煌夜を見上げる。
「いらっしゃいませぇ」
「なっ………ッ。………はぁぁぁ…」
煌夜は大袈裟過ぎるくらい肩を落とした。
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