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トラウマだって乗り越えて...

      ◇◆◇◆◇◆◇      

―――4年前……

凜は中学でも成績優秀であり
その頃は、どっから見てもいい子で真面目を演じていた。

「おい!そこのお前!今日なんか予定はあるか?」

「…あなたには関係ありませんよね。」

「何もないなら家に来い。」

神谷臣司(しんじ)は同じ中学で凜と違い自分勝手で自由気まま、一目見れば不良だとわかるほどのガラの悪い奴だった。
この時も面識のない凜に急に話しかけたと思えばこれだ。
凜は、

「なんでてめーの家に行かなきゃなんねーんだよ。バッカじゃねぇ?」

と言おうとして止める。
そして、

「いいですよ。」

と笑顔で答えた。
その会話を近くの席で聞いていた同じクラスの兄煌夜は

「行く必要はない!」

と止めたが、凜は

「彼とは友達になりたいと思っていたんだ。」

と煌夜に笑顔を見せると、煌夜は凜がそう言うなら仕方ない。という呆れ顔で、

「あまり遅くなるなよ。」

とだけ伝えた。

もちろん凜が純粋に行こうと決めたわけではなく(…こいつはいいカモになるかもな…。一発殴って強さってもんをわからせてやれば…)などと考えたからである。

しかし、今思えばそれが凜の大きなミスだった…。

放課後。
授業が終わってから凜はそのまま神谷に連れられ神谷の家を訪れた。
神谷の家は至って普通の家だが、母親は神谷が小さい頃に他界。父親は会社の重役を担っていて家を空けることがよくあるそうで、その日も次の日の昼までは帰れないと置き手紙が置いてあった。

「俺の部屋に行くぞ。」

そう言って神谷の部屋に連れて来られてから2時間。
なぜか凜1人でRPGをやり、神谷はそれを隣でただ眺めているだけ。
(そろそろ神谷には俺の下僕にでもなってもらうか…)
と凜がゲームの手を止め、神谷に掴みかかろうとした時ー…。

「えっ…。」

あっさりその腕は神谷に避けられ、更にはそのままベッドの上に組み敷かれてしまった。


「ちょっ…。どけ…「お前彼氏いるの?」」

(…………はっ!?)
凜がいろいろと頭を捻っている事など気にせず、神谷は続けた。

「いるなら別れて俺の女になれよ。」

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