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トラウマだって乗り越えて...

      ◇◆◇◆◇◆◇      

―――同じ頃。

焔は部屋の片付けの真っ最中であった。

そして荷物がある程度片付く頃には、既に夜の7時を回っていた。

すると、急に荊が部屋に入ってきて、

「ほーちゃん、片付けどう?だいたい終わったなら、ご飯食べ行こう!俺、お腹空いた!」

と言って、手を引っ張り焔を急かした。

「俺の情報によると、今日の夕食はカレーライスなのだ♪俺食堂のおばちゃんと仲良いから♪」

などと、1人ウキウキする荊に腕をがっしり掴まれ、焔は仕方なく食堂に向かった。



食堂に着くと、既に沢山の寮生がご飯を食べていて、中には片付けをしている人もいた。

荊は、

「やっぱりカレーだぁ♪おばちゃん!俺カレー多め!」

『はいはい。いつも通りね。』

「さっすがおばちゃん♪わかってるぅ♪」

と食堂のおばちゃんと会話していた。

焔はその会話についていけず、ぼーっとしていた。

それを見た食堂のおばちゃんは、

『あら。新しい子だね?これからよろしくね。今日はたーんとお食べ♪』

と大盛りのカレーライスを出してくれた。

「あ…ありがとうございます。」
と焔はおばちゃんに微笑む。

その笑顔を見ておばちゃんは荊に

『また可愛い子が増えたもんだね♪』

と耳打ちして、そのまま調理に戻っていく。

すると荊は、

「顔はいいし素直なんだけどね…。」

とボソッと呟いたが、おばちゃんには届かず、焔はもう既にカレーをテーブルに運んでいて聞こえるはずもなかったため、荊の言葉は独り言としてそのまま消える。

そんな荊に、

「何してんだ?早く来い。」

と焔が声をかけた。
荊は、焔の方に向き直り、

「ほーちゃんw食べるの待っててくれたのぉ?嬉しいw」

と走って行くと、焔に「はぁ?当たり前だろ?」と言われ、荊は少し嬉しかったのであった。


焔は夕食を綺麗にたいらげ、荊と一緒に部屋に戻ると、今日1日の疲れが一気に押し寄せてきたため、シャワーを浴び、すぐに眠りについた。

荊は、そんな焔が眠ったのを見計らい、部屋から静かに出ていった。

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