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トラウマだって乗り越えて...
初日.1
荊が胸をなで下ろしたのもつかの間、授業中教科書がない焔に煌夜は一言
「見るか?」
と聞いたのだが、焔は
「誰がお前なんかに見せてもらうか!」
と断った(と言うより威嚇した)ために、荊が焔に教科書を見せるはめになってしまった。

みんなからの刺さるような視線を感じたが、仕方なく荊は焔と教科書を見ることになったのだった。

      ◇◆◇◆◇◆◇      

――――なんだかんだで時間は過ぎ、昼休み。

焔が購買に行こうとしたところ、

『ほーちゃんw一緒にご飯食べよw』

『俺がお昼奢るからw』

『ほーちゃん。一緒に食べようー?』

「誰がほーちゃんだっ!………でも奢ってくれるなら一緒に食べても…。」

『えっ!?まじ!?奢る奢る♪』

『あっ!ずりーぞ!俺が奢るって!』

『お前金ないっていってただろ!』

ギャーギャー…
そんな会話がクラス中を飛び交う。

焔は奢ってくれるなら誰でもいいのに…とか思っているが、なかなか終わらない会話にだんだん面倒くさくなりガタッという音を立て席をたつと荊と煌夜の方をチラッと見る。

荊は焔の気持ちを察し、こっちに来る?と言おうとしたが、それは煌夜の言葉によってかき消された。

「ふっ。バカが移る。」

焔は煌夜の言葉にまたしてもプチッっという音をたて、

「誰がお前なんかと食べるかバーカ!」

と告げ教室をでて行ってしまった。

(ふん。バカはあいつの方だ。)と煌夜は思ったが、荊に

「煌夜、それは言い過ぎでしょ。メッ!謝ってきなさい。」

っと子供を叱るような口調で怒られた。
大人気ない言い方だったと煌夜は自分で反省したのか、荊に言われた通り仕方なく席をたった。

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