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「委員長、書類です。」



草壁に渡された紙の束を、僕は手慣れた手つきで受け取り、机にトサッと置いた。






ああ…これは夢だ。





だって、さっきまで僕は病院にいたじゃないか。それに、寝たらこの状況なったんだから、夢に決まってる。

机に置いた書類の一枚を手に取り、机の端にある僕専用のペンを取った。
カリカリと音をたてながら、書類に文字が書き込まれていく。
内容は1-A沢田綱吉、獄寺隼人、山本武が西校舎三階の窓ガラスを数枚割ったという報告だった。なんか未来予知みたいで怖いな…、なんて思いながら無表情で書類を片していく。




つか…、なんで夢の中でまで書類整理しなくちゃいけないの?

あぁ、イライラする。




─おい、昨日のテレビ見たか?
─見たぜ
─面白かったよな





なんか、聞こえる…
この声はあの相部屋にいた奴らのだ。ああ、ゲームのルールを破ったね?物音をたてたら、咬み殺すって言ったのに…。






丁度イライラしてたところだ。
よし、咬み殺そう。








そう思った直後、恭の目がパチリと開いた。

まだちょっと辛いけど、体動くようになったな。
そう思いながら、近くにあったトンファーを持ち、ゆらりとベッドから立ち上がった。




「ひ、ひぃ!起きたぁぁあ!」

「あ、ありえねぇ!これで起きるなんて!」


彼等は立ち上がった僕を見ると、話を中断して真っ青に震え上がった。
そんな彼等に僕はまだ少しフラつく足を動かした。





「ルールを破ったから、咬み殺されるんだよ」





バキ、と部屋に音が響いた。



─────



彼等を咬み殺した後、一人の看護婦が部屋に入ってきた。


「あ、あの、ヒバリ様…」

「何?」

「他の病室から、一人こちらに移る方がいるんですが…、よろしいでしょうか…?名前は沢田綱吉と言うんですが…」




あれ、今更だけどこれって入院の話じゃ…、

まぁ、沢田だったらいいか。


「いいよ」




それだけ言うと、看護婦は深く頭を下げお礼を言い、部屋を出て行った。



暫くすると、ドアをコンコンと叩かれる音がし、「しつれーします…、」と彼…沢田綱吉が入ってきた。


「やあ」

「雲雀さん!!(相部屋って雲雀さんだったの!?)」



沢田は入ってくるとすぐに目を見開き、信じられない物を見るような目で僕を見てきた。



「うそー!?え!なんで病院に!!!」

「風邪をこじらせてね。退屈しのぎにゲームをしてたんだがみんな弱くて…」

「んなー!!!(何があったのー!)」


チラリと目線を向けたその先には先程恭に咬み殺されたであろう男達ね屍が転がっていた。それを見ると、真っ青だった綱吉の顔が更に青く染まった。




「こう見えても、結構辛い状況なんだ…風邪。」

「! だ、大丈夫なんですか…?」

「少し寝たら体が動く位には良くなったよ。」




辛そうな表情になった恭を見て、綱吉は僅かに眉をよせた。



「(じゃあ、寝る前は動かなかったってこと…?)」

「…ゆっくり眠りたいから、君にもゲームに参加してもらうよ。ルールは簡単だ、僕が寝ている間に物音をたてたら、咬み殺す。」

「一方的ー!?」

「じゃぁそろそろ寝るよ、ちなみに僕は葉が落ちる音でも目を覚ますから。」



それだけ言うと、恭は欠伸を一つし、慌てる綱吉を尻目に眠りについた。







色々省略




[*書類整理][咬み殺す#]

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