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――――京子との件から数日がたった。



あの日から恭は京子を避けたりはせず一緒に話したり、黒川花がいない日はお昼を一緒に食べたり、一緒に出掛けたりなど、昔のような仲に戻っていた。



そしてこの日は、いつもどおり大量にある書類整理をしていると、突然、カッ!という音が耳元で鳴った。

振り向いてみると、一本の矢が恭のすぐ後ろに刺さっていた。

当たったらどうしてくれる、と思いながらくくり付けてあった紙を開いてみた。



“裏庭に来い byリボーン”



それだけが書いてあった。
トンファーを構えると、部屋の端にある棚へと歩き出した。バキッ、とそこの一部を粉砕すると…、

チッチッチッと動くタイマーと、矢を仕掛けたような後がある機体があった。




「ワォ、無粋だね。」



それをトンファーで壊すと、恭は応接室を出て行った。



(…赤ん坊に会うのは嫌だけどね…よびだされたからには行くしかない。)






場所は変わって裏庭。


指定された場所に近付くにつれ、声が聞こえる。
「おめーには鼻輪が似合ってるんだよアホ牛!」
「ええ!」





………この声は、


まさか、と思いながら恭は足を進める。
するとそこには、あの三人と赤ん坊、そして見慣れない男がいた。



「うわああああ!」


最初は、誰だこの男、と思っていたが、直後に聞こえてきた大人らしからぬ泣き声。


それで恭は確信した。




ああ…、こいつは大人ランボだ…。



そう思いながら、恭はリボーンに近づいた。




「ちょっと、赤ん坊。何コレ。」

「おぉ、雲雀。今ランボの保育係の適性テストやってんだ。」

「…で、何のために僕を呼んだわけ?理由によっては咬み殺すよ?」

「お前もテストに参加してほしくてな。ホラ、逝け。」

「ちょ、変換がおかしいんだけど。」





強引な赤ん坊に言われ、大人ランボに近付いた。
…僕は子供の方がいいんだけどなぁ
小さいのだったら可愛くて好きなのに。



恭は体育座りをしていた大人ランボに近付いた。



「ひ、雲雀さん!(何でここに!会えて嬉しいけど!!)」

「お、雲雀なのな〜」

「雲雀…ッ!?テメェなんでここに!///」




などなどの多々の声が聞こえるが、恭はそれに反応を示さないまま、大人ランボの前にに立った。




「ねぇ、君。何時までも泣いてるつもり?」

「ッ…!」




大人ランボは顔を膝に埋めているため、恭の顔が見えていない。



(この声は…?)



しかし、どうやら大人ランボにはこの声に聞き覚えがあるらしく、ピクリと反応するとおずおずと顔を上げた。
















「貴方は…………恭さん!!」












(涙で歪んだ視界には、)
(俺の愛しい人がいた…。)







[咬み殺す#]

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