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『今からツナんち来い。』
日曜日の朝。
突然かかってきた赤ん坊からの電話。
この時期なら、確か殺され屋、だった気がする。
リボーンからの電話を切ると、恭は応接室を出て、愛車のバイクに跨った。
‐‐‐‐‐‐‐‐‐‐
「あ〜〜〜〜〜やっぱりダメだ〜〜〜!!
人殺しちゃったー本当に殺しちゃった〜〜〜!!!」
足元には先程自分が殺してしまったと思われる、強盗の格好をした男。口と心臓あたりからは血が出ていた。
真っ青になり狼狽えるツナ。刑務所行きだ!などと叫ぶ。その後ろでは暗い表情でいる山本、獄寺、ハル。
友人(上司、想い人)が人を殺めてしまったという疑惑のせいだろう。
涙が止まらないツナに、リボーンが助け船を出すように言った。
「こんな時のためにもう一人呼んどいたぞ。」
「え?」
ヴオオン、突然鳴り響いたバイク音。驚いた束の間、窓から恭が入ってきた。
「やぁ。」
「雲雀さん!?何でそんなとこから…っ」
「窓は僕にとって入り口でもあるんだよ。」
「(なんだそれーーー!!!)」
どんな状況に陥ろうが、ツナのツッコミは健在のようだ。流石は根っからのツッコミ属性というべきか。
「てめー雲雀!何しに来やがった!!」
眉間に皺を寄せた獄寺がズィ、と前に出る。
「…何、来ちゃいけないの?」
「Σそ、それは…!」
獄寺が密かに想いを寄せている人物、恭。彼自身は気付いていないが、確実に“それ”は淡い想いで。
好意を寄せている相手を追い返す事など獄寺には不可能だ。先程言ってしまったのは、一種のクセだろ。無意識に本音ではないものを言うことが。
「…今日は赤ん坊に呼び出されたんだ。」
「待っていたぞ雲雀。」
「…僕は何をすればいいの。」
「この死体を処理してほしいんだ。」
「はぁ!!?何言ってんだよリボーン!」
「ん、分かった。」
「雲雀さんーー?!ダメですよ!」
あわあわと狼狽える綱吉。それを見た恭はクスリ、と笑う。
可愛い、と。
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