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────応接室
「やっぱり恭は優しいね。こんなのが並盛のトップだなんて信じられない。」
「うるさい、文句ある?」
悪態をつきながらも顔を赤くした恭が微笑ましく、泉は優しく微笑んだ。
その時、ガチャ、と扉が開いた。二人は驚きながらも顔をそちらに向ける。
「し、失礼します…雲雀さんに用があってきました…。」
応接室に入ってきたのは、相変わらずオドオドした綱吉だった。
「僕に?」
「はい。
…あの、なんで俺を勝たせてくれたんですか?」
「それは僕の…、」
気分だよ、と言おうとした瞬間泉が口を塞いだ。
「んーっ!?」
「恭弥はね、君を勝たせてあげたかったんだよ。」
「え…?雲雀さんが、俺を?」
目を見開きながら驚く綱吉に泉は微笑んだ。
「そうよ。」
「っはあ!言わないでよ!」
泉の手から逃れると恭は反論した。そんな恭に泉は「あは、ごめーん☆」と謝るとゴッ、と拳骨をプレゼントした。
「雲雀さん、…あの、ありがうございます。」
「…別に、僕の勝手だし。」
「あはは…、そうですか。…じゃあ、失礼しました。」
ドアノブに手をかけた綱吉。それを見た恭が何かを思い出したのか、「待って」と呼び止めた。
「君、熱あるでしょ。」
「え!なんで知って…!?」
「これ、使いなよ。」
ポケットをゴソゴソと探り、何かをとりだすと綱吉に投げた。
「わっ、」
綱吉の手中に収まったのは、冷えピタだった。
恭は綱吉が体育祭のとき風邪だったのを思い出し、前日に買っておいたのだ。
「あ、ありがうございます!」
綱吉はニコッと笑って応接室を出て行った。
「いやぁ、青春だねぇ〜。」
赤くなった恭の顔を見て泉は呟いたが、恭は気づかなかった。
「ツナー、それどうしたんだ?」
「山本!…これ、雲雀さんに貰ったんだ。(羨ましいだろ?)」
「そうか、良かったなー。(誰が羨ましがるか)」
「えへへー(嘘だろーが)」
「「あははははははははは(黒)」」
「(十代目と野球バカが黒い…っ!?
でも十代目、…羨ましい…。)」
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ツナと山本は黒属性。
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