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──裏庭
「で、何だよ。」
不機嫌そうに此方を睨みつける獄寺。そんな彼を沢田が制す。
「…その、えっと…。」
「ンだよ!さっさと言え!!」
恭は謝る事に慣れてない為、なかなか口から言葉が出てこない。焦らす恭にキレたのか、獄寺の怒声が始まる。
…言うんだ、僕。
「昨日は、…ごめん。」
そう言えば、彼等の目は点になった。
それはそうだろう。昨日自分達を殴った人が、いきなり謝ってくるのだから。
「おい、ヒバリ。」
一番初めに意識が浮上したのは、以外にも獄寺だった。
「…俺、も……煙草吸って悪かった。」
そっぽ向いて、顔を赤く染める獄寺。彼も気付いたのだろう、本来ならば校則違反の煙草。風紀委員長が取り締まるのは当たり前の事だった。
「ヒバリさん。」
話しかけてきたのは、ついさっきまでオドオドしていた綱吉。恭はゆっくりと綱吉に目を向けた。
「ヒバリさん、もういいですよ。」
「え…。」
「謝ってくれましたし…それに、」
獄寺君が自分から謝るなんて滅多に無いんですよ、と笑う綱吉。
原作では彼等に恐怖対象にされてきた雲雀恭弥。正直、彼等にそのような気持ちを持たれてほしくなかった。
だから、彼の一言でどんなに心が軽くなったか。
「だから、もういいです。」
「…ありがと。」
「…じゃ、これで仲直りだな!」
ポフッ
不意に聞こえた山本の声と頭に乗る山本の手。ニカッ、と笑う彼の笑顔は、先程の教室のものとは違く、爽やかなものだった。
「ヒバリ、これからは仲良くしよーぜ!」
「ちょ、痛い。」
バシバシと恭の背を叩く山本。だが恭も満更では無さそうで。
「えっと、よろしくお願いします、ヒバリさん。」
「……………よろしくな。」
小さく言う言葉は、とても彼らしくて、恭は自然と顔が綻んだ。
[*書類整理][咬み殺す#]
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