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今日もまた、恭は書類を見ていた。書類の高さは50cm程のものが3つ、あまりにも多いため目眩がした。この一枚一枚に目を通し、チェックする。かなり面倒な作業だが、恭の肩書きは風紀委員長。放棄するわけにはいかないのだ。
リーゼント軍団(風紀委員達)にでもやらせればいいのだが、残念ながらあいつ等には人に危害(すなわち暴力)を与える事しかできない。

ならば、草壁ならどうだろうか?

彼はリーゼント軍団(風紀委員達)とは違う。恭までとは行かないが、デスワークだってそれなりにできる。彼と半分ずつやれば使用時間も半減するはずだ。
…だが、草壁にはリーゼント軍団(しつこいが風紀委員達)を纏める…、指導する仕事がある。あいつ等を野放しにしては、風紀が乱れてしまうかもしれない。

だから、書類整理を行う人間は恭しかいないのだ。






「ん〜、疲れた…。」



書類整理を初めて早数時間。
長時間同じ態勢でいた為が、背筋を伸ばすと音がした。
喉も乾いたので、草壁に紅茶を頼み、黒塗り革製のソファーに寝転んだ。


ふと、窓に目を移す。




「あ…。」




校門を乗り越えている獄寺が見えた。
彼の頬には適当に貼られたガーゼ。それを見た瞬間、先日の出来事がフラッシュバックした。
やっぱ、殴ったのはいけなかったかもしれない。
獄寺があの調子なら、山本も辛いだろう。腹についた痣、どの位経てば治るのだろうか。




…仕方がない。




「委員長、紅茶が入りま…、って委員長!?」

「ちょっと1−Aに行ってくるから紅茶は机に置いといて。草壁、留守番よろしく。」




ガチャ、という音と共に、僕は応接室を後にした。
















──1−A


ガラッ


「ねぇ、沢田綱吉と獄寺隼人と山本武はいる?」



「ひっ、ヒバリさっ…!」



突然の来訪者、雲雀に生徒は青ざめ目を見開いた。







「てめぇ、何の用だヒバリ…!」


前に出てきたのは獄寺。やはり先日の事に怒りを覚えたのか、手にはダイナマイトが構えられていた。
そんな獄寺に「獄寺君それしまって!!」と沢田が言う。



「十代目には指一本触らせねぇぞ!!!」

「やめろ獄寺、…ヒバリ、何の用だ?」





ニカッ、と笑う山本。だが目には警戒心が宿っている。…友人を傷つけられ、内心穏やかではないのだろう。








「ちょっと、顔貸して。」













[咬み殺す#]

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あきゅろす。
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