レッツ、居候!
先程の一件で先生の家に居候する事になった僕。
その日は先生が僕の家に泊まって、食事の支度などをしてくれた。誰かが家に泊まるのは久し振りで、少々緊張したりなど色々あった。
次の日に自分の荷物…生活用品や娯楽の物などを先生の家に運び、現在休憩中だ。
「つかれたー…。」
「お疲れ様ー!はい、麦茶。」
手渡されたのは麦茶。氷が入っているせいか、グラスには水滴が付いており、触ると冷たい。
引っ越し?作業で疲れ、少々汗をかいた僕には丁度良いものだった。
麦茶を口に含み、ふぅ、と息を吐く。それからチラリと先生を見た。
先生も疲れていたのか、麦茶を飲んだとたん肩の力が抜けたような、安らかな表情になっていた。
先生の服装を見ると、タンクトップにジーンズというラフな格好。肩から……うん、あの…し、下着の紐が見えている。気になったので、「先生、肩…。」と言うと、先生は気付いたのか「あぁ!」と声を出す。
やっと直す…、とホッとした。
が、
「別にいいじゃん、女同士だし!」
ハハハ、と豪快に笑う先生。いや、確かに僕は元女だから心は女だけど…。
恥じらいを持ってください。
そう言いたかったのだが、先生の事だ。「何それ、美味しいの?」と返されてしまうのがオチだろう。
仕方なく、また飲むのを再開した。
「そうだ、恭。今日の夕飯は恭の好きなヤツにするから。」
何がいい?と言った先生。
好きなヤツ…好きなヤツ…、やっぱアレだよね。
「ハンバーグがいい。」
「ハンバーグか。」
よっしゃ任せろ、とでも言いたそうな、自身満々の笑みで言われ、僕は思わず笑った。
グイッ
「―――よし、恭の歓迎会を開くぞー!」
「え。」
手を引っ張られ、無理矢理立たされた。
「そうと決まれば飾り付けだーッ!」
「先生何歳!?年考えなよ!」
先生は、教員にしては若い。教師の資格を取るならば、何年かかかるのだが、先生の話によると先生は早く取れたらしい。
…だけど、本当に、本当に“それなり”の歳にはなっているのだ。
成人している女性が小学生の前で「飾り付け!」とはしゃいでいる。
些か奇妙な光景だ。
だが、自分の歓迎会、という事なので、結構嬉しい。
色紙で例の輪を作っている先生。パーティーなどにはもってこいな色合いだ。
(…手伝おう、かな。)
正直、歓迎会の主役が手伝うのもなんだけど、一応住ませてもらう身だし、…泉先生といる時間も増えるし…。それに、あんな嬉しそうな先生を見てたら、いてもたっていれなくなった。
「―――カラフルにしようね、先生。」
と、色紙を手に取った。
[*書類整理][咬み殺す#]
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