運動会 「さっ、恭弥!頑張ってきてね!!」 「緊張して転けるなよ?」 「…うん。」 季節は秋、天気は晴れ、風は程良く吹いていた。 そんな今日は、並盛幼稚園の運動会だった。 僕の鞄を持ってきて、ハイ、と渡す母さん。 カバンは軽かった。まぁ、持ち物は少ないしね。 「父さん達も後から行くから、寂しくないぞ!」 いや、別に寂しいなんて言ってないんだけど。 別に来なくてもいいのに…。親が来ない奴が羨ましく感じる。 「行ってきます。」 そんな事を、ボンヤリと考えながら、僕はドアノブに手をかけた。 「恭弥!今日は極限に良い天気だな!!」 「普通でしょ。」 ファイティングポーズを取りながら、いつものように極限極限喚きながら言う了平。 その隣にはニコニコ可愛らしく笑う京子。 …畜生、可愛いんだよ!← 「恭弥!今日は頑張ろうね!」 「うん、そうだね。頑張ろう。」 正直ダルいが、花が咲くように笑う京子にそんな事は言えない。 言ったら京子の可愛らしい顔が、悲しみに暮れるようになってしまうだろう。 ………あ、なんか見てみたいかも。← その後、先生の召集がかかり、全員が運動会の準備に入った。 [*書類整理][咬み殺す#] [戻る] |