01.きっかけってそんなもの
きっかけって大きいものから小さいものまであるよな。
小さいものは…
うーん、思いつきとか?
***歌機械俺***
俺は、友人から歌を歌う機械の事を聞いた
その機械はパソコンに取り入れて作詞、作曲をし、調教をして歌わせるというものだ。
俺は元々家にパソコンはあるが、ほとんど使った事がなく、機械に関して興味を持った事がない
友人から機械関係の話を持ち込まれてもまともに聞いた例はない
しかし、その日の俺は違った。
その日は…なんとテストの点が死んでたのだ…
言い訳になるんだが、解答用紙の解答欄を間違えて一つずつ答えがずれていたのだ…
ショックでショックで…で、家で一人落ち込んでる時に友人が2人予告なしに家に押しかけて来た←(まぁ、友人が予告なしで俺の家に来るのは何時もの事だけど)
こいつ等は本当に空気の読めない奴らで…俺が落ち込んでるのも気付かない位のテンションで、寛ぎだした。
寛ぎだした。俺の家で。俺の部屋で。
これがその日の話の一部
―――
――
―
『あのさぁ…なんでお前らいっつも俺の部屋のベットやらソファやらを無断で占領する訳!?』
翔太はベットに寝ころがって漫画読んでるし…淳也はソファでDSしてるし…
「え〜だって羅衣の家って落ち着くんだよ〜俺なんか家に居たら親父に勉強しろだの、家の手伝いしろだのうるせーし。あぁ…このベッド気持ちえぇ。」
「そーそー。一人暮らしっていいよね〜。僕も一人暮らししたいな〜。…このソファふかふかだな…」
『だからって俺の家に来て寛ぐのはなんか違うくね?つかどうしたお前ら。無人島から帰ってきた人達みたくなってるぞ』
そう言うと、2人は俺を無視してまた自分の好きなようにして翔太なんかは俺の部屋の物をあさり始めた
『なぁ、俺無視?なんか言おうよ』
「羅衣、お前さぁ…ホント真面目君だな。本とか教材ばっかりじゃん。漫画とか持ってる?あったら貸してくんね?」
『てめぇゴルァ人の話聞けよ。それと、そんなもん持ってねぇよ。お前らも勉強しろ。』
「羅衣、諦めなよ。淳也は何言っても駄目だって。ドンマイ☆」
『お前も人の話聞かねぇだろー!』
なんだよドンマイ☆って!
一発殴ったろうか…
俺は今マジで泣きたいってのに…
畜生!こいつ等人の気も知らないで!
「……ふぬぉぉぉーーーーー!!!」
ソファでDSしてた淳也が奇声を上げた
『ぅわ!んだよ!いきなり奇声あげるんじゃねぇ!』
「だってよ!髑髏が幻術使うのに三叉槍クルクルって回してる最中に獄寺が邪魔して来るんだよ!マジこいつウッゼー!」
『俺はお前らの方がウゼェよ』
「あったぁぁぁ!ジャ○プ!」
『翔太、お前頭と目大丈夫か?それは国語辞典だ。』
「あり?ホントだ。くそぅ!何で無いんだよ!」
『ねぇもん探すなよ』
全く、こいつ等と居ると疲れる
すると、翔太が何を思ったか、急に部屋をあさるのを止めて俺に話を吹っ掛けて来た
「そう言えばさ、お前ボーカロイドって知ってるか?」
『ボーカロイドぉ?』
「あ、僕知ってる。PCに取り入れて機械に歌を歌わすやつだろ?結構人気あるよなー」
ソファでDSしてた淳也が反応する
『何だ、機械かよ。わりぃ俺そう言う機械系の話パス。なんかそういうのに乗れないんだよな〜』
「羅衣ってば時代遅れ〜!そんなんじゃ、皆に馬鹿にされっぞ!」
『うるせーよ。人の気も知らねーで。』
「んだよつれねー奴ぅ〜」
「翔太、仕方無いよ。羅衣が今テンションが上がらないのも無理ないって。だって羅衣、今日の数学のテスト20点だったんだから。」
!?
『何で知ってる貴様ぁぁぁ!!!!!』
「マッジで!?お前あんなに数学自信あるって言ってたのに?!ぅっわ!最悪だな〜」
『何で?!何でお前ら俺の点数知ってんの?!何で俺が20点だったこと知ってんの?!』
「それはね、゜。+*゜友情゜*+。゜と言う名のテレパシー『何が゜。+*゜友情゜*+。゜だよ!無駄に友情を飾ってんじゃねーよ!それにテレパシーってなんだよ!』
あぁ駄目だ。
疲れる。
疲労のピークに達してる…
「と言うのは嘘で、羅衣が落ち込んでる時、こっそり後ろから見た★」
……何も言えねぇ。とはまさにこの事だろう
「そんな、今とっても気分が落ち込んでいる貴方に超オススメ賞品が此方!歌う機械、ボーカロイド!まるで家族が一人増えたような感覚になり、毎日が楽しくなります☆」
『お前はテレビショップの通販売員か。』
「さあ、テストの点が悪かった貴方!そんな気分吹っ飛ばして新しい家族を作りましょう!」
『…なぁ、翔太。』
「お!買う気になったか!?」
『いいや。ただ…』
「なに『とりゃぁぁぁ!!!』
バキッ
「グボーーーー!!!」
『殴っていいか?』
「殴ったーーー!聞く前に殴ったー!」
『あ、わりぃ。手が滑った、よ!』
バキィッ(←また殴った
もう一回殴ったら動かなくなった。
そしたらさっきまでゲームしてた淳也が近付いて来て翔太の手首に手当てた。
「………ご愁傷様です」
「ちょ、生きてるから!ちゃんと脈動いてるからーーー!!!」
『うゎ、ゾンビが来た。お祓い屋呼ぼうぜ』
「ちょ、俺可哀想!俺超可哀想!」
「近づいたら感染するから逃げるぞ」
「えええぇぇぇぇぇぇ!!!」
『わー逃げろー(棒読み)』
んで、鬼ごっこ開始。
…面倒臭いから省略。鬼ごっこ終わり
「つ、疲れた…羅衣、コーラ頂戴。」
『あ゛?お前図々しいな』
「嘘です、ごめんなさい。お茶でいいです」
『淳也はお茶いるか?』
「ん?うん。ちょーだい」
『?それなに?』
「PSP。」
『…ゲーム?』
「いいや、動画見てる」
『…なんでそんなん見れるんだ?』
「ニコニコ動画からダウンロードしてくるんだよ。」
『ふーん…』
「お!羅衣がPSPに食いついてるぞ珍しい。」
『…ちょっと見せて』
「いいけど…そんなにいいもんは入れてないよ」
貸してもらった。
・ ・ ・ ・ ・ 。
実に興味深いもの発見。
『…なぁ、これなに?』
「ん?あぁ、それがボーカロイドだよ。初音ミクっていうんだ」
これがボーカロイドねぇ…
『…で、この歌はなに?』
「みくみくにしてあげる。」
『そうじゃなくて、誰が歌ってるんだ?…まさか、これが機械?』
「イエス」
『すげっ!!』
マジかよ!凄いぞそれは!
『は〜日本もこんなに進化してるんだな〜…最近歴史ばっかり勉強してたから全然気付かなかった…』
「ちょ、淳也あれ止めさせろ!!早く止めないと羅衣の必殺技、【勉強会】が開かれるぞ!!!」
「自分で止めれば?」
「俺一人じゃ対処しきれねーーー!!!」
―
――
―――
とまぁこんな感じの一日だった
翔太と淳也と俺のその後はそれぞれの想像に任せる
で、今に至るわけなんだが…
今俺はパソコンの前に座っている。
少し、ボーカロイドといものが気になったので調べていたところだ。
いろいろ調べている内になんだか欲しくなった
そして、モニターとにらめっこをしている
・ ・ ・ ・ ・ 。
そのモニターの画面に映っているのは…
【中古:ボーカロイド初音ミク売ります。更にMEIKO、KAITO、鏡音リン・レンもお付けします。−30000円で売ります】
…−30000円ってなんだ!?
マイナスってなんだよ!
金くれるのかよ!?
詐欺だろ!
まったく…何処のどいつだこんな分かりやすい詐欺…
あ、投稿者のコメントがある。
見てみよう…
【コメント:誰か貰って下さい!マジで!!!困ってるんです!!!】
………見なかった事に…
戻ろう。
カチカチッ(←マウスのクリック音
ポンッ
【カートに入れました】
『…あーーーーーー!!!!』
クリックする所間違えたー!!!
ヤベェ!!!!!
取り消し取り消し!
【エラーが発生しました。取り消しが出来ません】
なにぃ!!!
ありえねぇー!!!
ピーンポーン!
効果音多ッ!!!
あ、つっこむところ違った。誰だこんな時に…
「すみませーん!ご注文の品、ボーカロイドです!」
…つか…うっそーん!
なんか来たぞめっちゃいいタイミングによぉ
「あれ〜居ないのかな…置いて帰ろうかな…」
『ちょまちょま!!!直ぐ出ますから!』
俺は返品をしようとして急いで玄関のドアを開けた。
そうだ、あの時玄関を開けなければよかったのかもしれないと今でも思う。
そうすれば、あんなことにならず済んだんだろうな…
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