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離したくはない
壊れる



「お前すぐシャボン玉入るな!」
「これマジ楽ー」
「2人でやってる意味ねぇだろうが!」


あれから、大和の家へ行き俺たちはゲームを楽しむ。
大和は本来の楽しみ方をしていない。


「宮田上手いね、マジオタク」
「違げーし」
「てか…飽きた」
「だな」


結局、1時間ぐらいで飽きてしまい、大和は酒を作り出す。…まあ、1時間はぶっ通しでやり続けたんだけどな。


「お前酒好きだよな」
「うん、毎日飲んでる」
「絶対飲酒運転しそうだなー…」
「えー、しないと…思う…よ?」
「それだけは止めろよ」


もう免許は取れる年齢だし、そろそろ取りたい…金さえあれば。
でも、大和の運転だけは乗りたくないと思ってしまった。







「あははははッ!」
「…出た、宮田の絡み」
「俺、酒弱いなー」
「マジでね」


お酒を飲みだしてから更に1時間後、俺はかなり出来上がっていた。

ついついバシバシ肩を叩いてしまい、大和は痛そうに「うざいわー」と言って振り払う。
そんな楽しい時間を過ごしていたとき…突然こんなことを言われた。


「今日は宮田チャンの過去話でも聞こっかなー」
「…え」


その言葉で少し酔いが覚める。


「宮田の昔の話って聞かないよね!昔の女の話とか初体験とか」
「……」


俺が見せている宮田 夏樹は、現在の俺。
出会う前の話は一切してこなかった。

さりげなく避けてきたこと。
いつかは話したい…でも、正直まだ話す時期ではないと思っていただけに返答に困ってしまう。


「…男のそんな話聞きたいかよ」
「聞きたーい。俺は初体験中1」
「マジ」
「宮田は?」
「俺はー…中3、かな」


大和のペースに流されないようにしなければ。酔って多少クラクラする頭をフル回転させる。


「どんくらい付き合ってたの?」
「1ヶ月…も持ってないんじゃね」


俺の中学では、結構奥手な人が多く中学で初体験をしている人は多くない。俺が今話している中学3年生での彼女も初めて出来た彼女で初体験ではなく、キス止まり。
モテ期は小学校がピークだったな、と遠い目になる。


「ふーん。次は?」
「え?次…」


大和の言葉に、ハッとする。

俺が次に付き合ったのはユウヤ。
…つまり男で、女と付き合ったのは1人だけ。


「あー…1人1人。俺お前と違って経験少ないし」


とりあえず初体験は、中学3年生の時の彼女ということにしておこう、うん。




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