離したくはない
5
…でもな、ユウヤ。
お前に1つだけ感謝してることがあるんだ。
「俺、脳トレやってみたい」
「古くね?てか、DS持ってんの?」
「いいえ?」
「…頼むから、Wiiから選んでな?」
お前と別れて高校を辞めてから始めたアルバイトで、大和と出会えたんだ。
凄いマイペースで自己中で人の話は聞かないチャラくてバカな奴だけど…俺は、今凄い楽しい。
高校の時のような薄っぺらい友達じゃなくて、本当に腹割って話せて楽な友達が出来た。
それって意外と難しいことだと思う。
多分、普通に高校に通い続けていたらここでバイトをすることもなかったし、大和に出会うこともなかった。
だから、ある意味ではお前のお陰。
いつか大和と居れば、お前のことを笑い話に出来るような気がする。大和はきっと引かないでいつもみたいに笑ってくれると思う。
「なあなあ、Wiiフィットとかどう?」
「……」
お前と出会って失ったモノ。
沢山あった。
だけど、得たモノもあった。
だから、返せなんて言わない。
俺は2度と同じ過ちを繰り返さない。
今はまだ忘れることは出来ていないけど、今すぐじゃなくても少しずつ忘れていこう。
「居たな、そんな奴」
そう言えるくらいになってやる。
「…よーし、マ●オにしよう」
「ええ!俺の意見無視すか。酷い奴だ、宮田チャン」
「お前だけには言われたくねぇよ!!」
だから、お前も本気で好きな子見つけろよ。
そうしたら、少しはまともになれるんじゃないか。
「(やっと…乗り越えれそうだ)」
幸せになれよ…ユウヤ。
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