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離したくはない




「宮田弱すぎて相手になんないんだけど」
「…うっせ!」


結局、逆転どころか追加点まで入れられてしまい見事惨敗。仕方ないだろう、俺はこのゲームを持っていないのだから。

だが、たかがゲーム、されどゲーム。

一応は真剣にやったのだから、悔しくてヤケ酒だ!とお酒をグイグイ飲んだ。それを見て大和は大爆笑。


「宮田、今日泊まってくか?」
「あー…いい?」
「1泊2万やでー」
「じゃあ、タクシー呼んだ方が安いわ」


少しいつもより飲み過ぎたかもしれない。
頭が痛くてふわふわした気持ちになる。
顔を真っ赤にさせながら時計を見れば、もう夜中の3時を回っていて大和の家に泊めさせてもらうことにした。きっとこの状態で帰っても、道端とかで寝ちゃいそうで逆に危険な気がするからな。


「じゃあ、飲むぞー!大和ももっと飲め」
「この酔っ払いが」


決定してからは、更に酒のペースが進む。
ヘラヘラしながら大和にも酒を勧め、どんどん口に流し込んでいく。今日は酔っぱらいたい気分だ。


アイツを思い出してしまったから。
だから、忘れる。

記憶がぶっ飛ぶまで飲んでやる。

そして、そのまま…アイツの記憶だけがすっぽりと頭から消えてしまえばいいのに。


気付けば、夏樹は眠りについていた。




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あきゅろす。
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