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Eternal…



「…そうか。それは怖かったな」
「はい…でも、及川が偶然来てくれたお陰で助かりました」
「本当に猛が来て良かったよ」


神田さんは、黙って話を聞いてくれた。
思い出すだけで声が震えて言葉が詰まったりしたけど、急かすこともなくただ真剣な目で聞いてくれた。


「俺お調子者でバカで…」
「ま、自分を責めんなよ。時間が解決してくれるさ」


神田さんは、俺よりも1歳年上。
だから、こんなにも落ち着いているのかな。
てか、及川もとても16歳とは思えぬ落ち着きぶり。俺が子供っぽいだけなんだろうか。


「神田さんってお兄ちゃんみたいですね」
「俺実際お兄ちゃんだからね。下に3人弟居るし」
「3人!?」
「上に兄貴が1人居るけどな」
「わあ…神田家の兄弟って凄そうですね」
「ある意味濃い奴らばっかだな」


こんなにカッコイイお兄ちゃんが居たら自慢だろうな。
俺は姉ちゃんが居るんだけど、全然優しくないし凄い自己中な性格をしている。身体も俺よりゴツイし、まるで悪役プロレスラーみたいな見た目なんだ。


「及川もお兄ちゃんなんですかね?」
「さあ?あんまその辺聞いてねーけど…アイツは1人っ子なんじゃね?自分勝手だし」
「そう、ですか」


聞いた後に、及川が複雑な家庭だということを思い出す。俺って無神経だ。


「いちいち気にすんなー?猛は神経図太てーからさ」
「…はい、ありがとうございます」


そんな態度に気付いたのか、頭を撫でられた。そこで神田さんはバツの悪そうな表情をする。


「…悪い、弟の癖でつい」
「あ、全然大丈夫…です」


不思議と神田さんに恐怖感はなくなった。
柔らかな安心させてくれるような空気を作ってくれているからだろう、密室なのに何も思わない。


「ま、俺は女には困ってねーから変な心配はしなくて大丈夫だからな?」


だから、安心させようと言ってくれたその言葉に思わず笑ってしまった。


「及川と同じこと言うんですね」
「え?猛と?…ショックー。でも、俺のがイイ男だろ?そう思わねぇ?」
「はい」


ニタッと笑うその笑顔にクスクス笑って返事。
本当にこんなお兄ちゃんが欲しかった。



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