オオカミシリーズ
4
「なんで俺が……」
ぶつぶつ言ってみたところで、引き受けてしまったものはしょうがない。気の弱い自分の性分が嫌になってきた。
「あ、なぁなぁ。嵯野(サノ)っている?」
事務員に言われた通りF組の教室に辿り着くと、戸口にいた生徒に尋ねてみる。
「Σえ゙っ」
「え?」
ドス低い声が返ってきた。なんだ?俺、なんかした??
「ゴメン。良く聞こえなかったんだけど…だ、誰だって?」
「え?嵯野っていう人なんだけど……」
もう一度ハッキリ伝えると相手は蒼白い顔をして、頭の天辺から爪先までジロジロと見てきた。なんなんだ、感じワル。
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