[携帯モード] [URL送信]

短編

シャリ、ちて、とん、とん






お前、おまいさん。ちょいと、此れを覚えてお行き。シャレ、ツト、……。






嗚呼、姐サン。オイラ、旦那様を捜してるんだ。急がねば、急がねと。






てんとん、シャシャ、りん。


無粋、無粋ー嗚呼、其れでは、旦那様、旦那様ぁ、と謂うのかい?フ、フ フフ、 フ






薄闇に浮かぶは黄金の龍か、鳳凰、か。かかやくばかりの襖。





あぁあ、旦那様ぁ…旦那様、旦那様……嗚呼…







旦那様…?旦那様、もしや、そちらに御出ですか――?嗚呼良かった。私、用事を承って――


















暗い蒼の闇に、浮かぶ長い髪。籐の、椅子。乱れた 着物







「嗚呼、お前。來てしまったんだねぇ。馬鹿な野郎だ。お前、もう――」















しゃり






河砂利を歩く。後ろの屋敷からは、いつもの



しゃり、







冷たい水を汲む








「彪(トラ)や」













「さぁ、屋敷へお帰り――」















[*前へ]

2/2ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!