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短編

「ほら。彼処の大きいお家がオオカミさんのお家だよ」





目の前には素敵なデザイナーズマンション。なんとも高そうな物件です。




「オオカミさんは、わいるどにのじゅくじゃないんですか?」


「大変ごめんなさいだけど、今時そんなのいないよ。夢を壊しちゃってゴメンね」





お伽話の世界にも色々あるんだよ、とキツネくんは少し大人の顔をしていいました。






「じゃ、ぼくはこれで。まさかと思うけど、食べられないように気を付けてね」





キツネくんは、腕一杯の花束を抱えてくるりと背を向けました。





グググイーーンっ!!





引っ張られたのがシッポじゃなくて本当に良かった、そんな事を考えました。だって後ろからは、ずきんちゃんが服の裾を力いっぱい引っ張っていましたから。



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あきゅろす。
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