短編
1
ここは赤いお屋根の可愛らしいお家の前。まだ年端もいかぬ、幼い女の子がおつかいを言いつけられています。
「いい?あかずきん。今日はおばあちゃまのお家に美味しいケーキと葡萄酒を届けてちょうだいな」
「ママ。自分で作ったものを『美味しい』っていう人を『おこがまし…』」
パシィンっ!!
「誰から聞いたの!そんな言葉っ!おにいちゃん?それともお隣の猟師さんかしら?」
ママが劇画タッチでワインの瓶を落として叫びました。正解はご近所のママさん達の『いどばたかいぎ』です。
ママが一頻り騒いだ後、時計を見て又叫びます。「パートに遅れるわ!!」急いで新しい葡萄酒をカゴにつめこむと、オシリを叩かれて出発させられました。
お伽の世界もせちらがい?のです。
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