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短編
ひよこ組さん・8


「どうなさったんですか!?」




思わず大きな声になってしまった自分に、彼はしーと人差し指を立て申し訳ないと謝ってきた。





「すみません―ちょっと晴南が心配だったもので…」





そう応える彼は仕事帰りなのか、スーツの上に軽いアウターを羽織り黒い手袋をして、片手に鞄、もう片手には――







「ウサギ……?」







白い、手足の長いぬいぐるみのウサギを抱えていた。まさか







「もしかして―ウサママ、ですか?」



「え?えぇ―。先生、ご存知でしたか」






ウサギを掲げて笑って見せると、キョロキョロと中を見回し始めた。慌てて体を退かすと「どうぞ」と、彼を部屋の中へと招き入れた。



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