天体学習 6 彼を起こす勇気なんかない。地味系の奴は総じてそうだと思うが、目立つヤツに声をかける勇気なんかないのだ。 たとえ、この空間にいるのが二人だけだとしても。 ステラは再び地を蹴った。彼方のスピカを目指してあがって行く。 こうなったら、自分だけでも課題を仕上げなければ。 「――お前、オリオン座って知ってるか――」 星図を仕上げようと、再び集中し出した背中に声がかけられる。 起きたのか―。話しかけられた事に多少驚きながら、ステラは修の方を見た。 「オリオン。知ってるか――」 二度(ニタビ)の同じ質問に、ステラはやっと声を上げる。 「知ってるよ。冬の星座で一番見つけやすいヤツだろ――?」 [*前へ][次へ#] [戻る] |