天体学習
10
「ちょっと。ここじゃなんだから」
ちょいちょい、と手招かれて、慌てて彼の元へ。近くへ寄って行くと、心なしか彼がほっとした顔をする。
「カステラちゃん、俺の事警戒したでしょう。酷いなぁ」
悪戯っぽく笑う顔はいつもの彼だ。「舩くんは」と聞かれて、首を傾げる。
「嶺も必要?だったら、まだ実習から戻ってないけど」
待つか?という意味で、華遠に聞くと「否、居ない方が都合がいい」と苦笑した。益々訳が解らない。?をとばしていると着いてきてと促された。
後ろからはクラスメイトの好奇心満点の眼差し。
物凄くいたたまれない……。ギクシャクしてると、思い出したように華遠が叫んだ。
「ごめん。ステラちゃんと同じ講義の子、代返しといてくれる?」
お願いね、とにっこり。と、蜂の巣をつついたみたいに教室中がうるさくなる。多分、誰が華遠に゙頼まれだ代返をするかで、揉めているのだろう。チラリと彼を見上げると、視線に気付いて片目を瞑られる。
「誰かにつけられたら厄介だからね」
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