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夢小説
トリップ

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「ただいまー」

 家に着き、玄関を開けて中に入った。

「・・・まぁ、おかえりって言ってくれる人はいないんだけどね」

 私は少し早足に自室へ向かった。

 私の両親は共働きであんまり家にはいない。
 顔をあわせるのも週に一回くらいで、会話もあまりしない。
 寂しくないと言ったら嘘になるけど、家のために働いてくれている両親にそんな事は言えない。

 兄妹とかほしかったな、と思う時もある。

「はー・・・」

 私は自室に入るや否や、ベッドに倒れこむかのように寝転がった。

 そして、目を閉じてる内に、いつの間にか眠ってしまっていた。


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 チュンチュン。
 何処からか雀の鳴き声が聞こえる。
 瞼の奥に優しい日の光があたる。

「・・・ん?もう朝・・・?」

 ゴシゴシと目を擦り、そっと瞼を開けた。

 けれど、普通なら自室が目の前にあるはずが、黒髪の美少年が瞳に映った。

「・・・・え?」

 何で私の隣で男子が眠っているの?

 私は声が出ないほどに驚き、キョロキョロと周りを見た。
 よく見ると自分の部屋ではなく、まったく知らない部屋だった。

「・・・え?え?」

 ちょっと待って、ここどこ!?

 意味が分からず、隣で眠っている男子を凝視すると、見たことのある男子だった。

 しかし・・・・。

「何で雲雀さんが隣に!?」

 その男子はREBORN!に出てくる雲雀恭弥にそっくりだった。

「・・・ま、まさか雲雀さんじゃないよね・・・?ただのそっくりさんだよね・・・?」
「・・・ん」

 一人であたふたと考えていると、雲雀さんにそっくりの人が目を擦りながら起き上った。
 そして、私と目が合うと、驚いたのか目を見開いた。

「・・・お・・・おはようございます・・・」

 一応あいさつをすると、雲雀さんにそっくりな人は思いっきり睨んできた。

「君・・・誰?」

 ジャキンッ!
 何処からかトンファーを取り出して構えた。

 この声、この顔、トンファー。

 やっぱり雲雀さんだ!!
 でも、何で雲雀さんがいるの・・・!?

「誰だか聞いてるんだけど?」

 答えない私にイラついたのか、眉に深くしわを寄せている。

「あっ・・・えっと・・・市原美香です・・・」
「名前なんて聞いてないよ」

 えぇっ!?
 じゃあ何て言えばいいの!?



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あきゅろす。
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