[携帯モード] [URL送信]

短篇集
ブレザーの貴方(雲雀)









『きょーやセンパーイ!』



「来るなァアア!!!!!!」




名前がブレザー片手に、にまにましながら雲雀を追い回し


雲雀は必死に名前から逃げている。



ことの始まりは数時間前

名前の一言から始まった。






――――






応接室のソファーで名前は暇そうに足をバタバタさせながら雲雀に問いた。







『あのぉー
きょーやセンパーイ』


「なに?」



『かなり今更なんですけど
どうして恭弥センパイは、ブレザーじゃなくて学ランなんですかぁ?』


「学ランの方が雰囲気出るでしょ?」


『そーですか?
じゃあじゃあ
ブレザーちょっと着てみてもらえませんか?』

「やだ」




『あら即答
なんでですかぁー?着てみて下さいよ』


「いやだよ。ほら名前昼ご飯の時間だよ」



『お腹空いていないです!』


「駄目だよ。ちゃんと食べないと」



『恭弥センパイが、ブレザー着てくれたらお腹いっぱいになります!』


「ならないよ馬鹿。早く食べるよ。」



『イヤです!ずぇっったい見ます!』



「どんだけ見たいのさ。もう僕1人で食べるよ?」


『だしまきたまごは残しておいて下さいね!』


「なんで?」















10分後.










『きょーやセンパーイ!』


「何処行ってたの?だしまきたまごは食べたから」


『いいですいいです!欲しいモノは手に入りましたからッッ!!!』



「欲しいモノ……?」



雲雀が名前の手にあるモノに目を向けた。






「まさか………」





『まさかのかまさー!!恭弥センパイ!!!ブレザー着てもらいますよッッ』



「ずぇっったいイヤ!!!!!!」












――――







そして、今に至ると言う訳である










『チッ、逃げ足の早い』




名前は、雲雀を見失い辺りをキョロキョロと
見回した。






『あっちか』





タッタッタ………








(行った………)



雲雀は茂みでホッと、胸を撫で下ろした。




さぁ逃げよう。茂みから出た途端






『みーつーけーたー』



「ギャアアアアッッッッ!!!!」




なんと、雲雀とは逆方向へ行った筈の名前が、雲雀の目の前にいたのだ。





『さー、もぅ逃げられませんよ〜
ブレザー着て貰いますから』



「くそ……」






名前の妖しい笑いと共に、雲雀の学ランはブレザーへと変わった。








『…………
なんだぁ。そこまで悪くないじゃあないですか。
フツーですよ恭弥センパイ』




「………」



『あれ?放心状態?
学ランって本当に風紀委員の命だったの?』


名前は、うなだれている雲雀の顔を覗き込んだ。




すると、





ガシィッッ!!!!




『ワォ!!なになに?どーした、ひばりん??』




雲雀は名前の肩を力強く押さえ付けた。





「…………



名前………」






『……恭弥………センパイ……?』






恭弥センパイがなんだかおかしい。


凄い、いっつもカッコいいけど今の恭弥センパイはいつにも増して
めちゃくちゃカッコいい


もう少女マンガレベルにカッコいい






そう思っていると恭弥センパイの顔がゆっくりと、
確実に私の唇に向かって近付いてきた。




『セン……パ…イ』



私はそのままゆっくりと目を閉じた。















「そうはさせませんよ雲雀恭弥ーーーッッ!!!!」





どーん








『ンなっ!!!!骸!!ちょっ、てめ何してんだァアア!!!!』



「………六道骸……」


「ちょっと名前、いまヒバリ君と何をしようとしていました?」


『見て分かンだろッッ!!!
恭弥センパイとの初チューを見事にトロピカルナッポーにジャマされたトコだボケがァアア!!!!!』
 

「名前の初ちゅーは僕がいただくと決めているんです!!!!
絶対にヒバリ君とはさせません!!!!」


『ハァアア??てめっフザけんのも対外にしやがれェエ!!
ナッポーはナッポーらしくナッポーな美少女とちゅーしてやがれ!!』


「クロームは恋愛対象としては見ていないです!
僕が恋愛対象として見ているのは名前!貴方だけですよ!!!」


『恭弥センパーイ!ちゅーの続きしましょ!』


「僕の真面目なプロポーズ!!」














「っとゆうか、どうしてヒバリ君はこんな風になってしまったのですか?」


『私の毎日のしつこい愛をやっと認めてくれたんですよ。
いままでのツンデレなひばりんは呪いにかけられていて、
なんかのきっかけで解けたんです。』



「とんだプラス思考で受けとっていますね。有り得ないでしょ」


『有り得ます。ねー恭弥センパーイ』


「ねー名前ー」





「なんか、めちゃくちゃウザさを感じますね。」



『まぁ、そういうワケだから骸。お前は故国に帰れ』



「ちょっと名前!いつからそんな口が悪くなってしまっのですか!?」



『お前に出会ったそのときからだナッポー』



「くうっ!悲しすぎます!」


『へっ!分かったなら、廃墟にとっとと帰れ』



「名前、ソレはちょっと言い過ぎだよ。」



『……え……?』



「骸だって、名前のコトを好きだからそんな風に言ってくれてるんだよ。
もっと優しくしたら?」



『………』



「クッフー♪だ、そうですよ名前!
さぁ僕とドコか行きましょう!
ヒバリ君が言った通り優しくしてもらいましょうかね!」






『……………やだ………』



「ヒバリ君が言ったコトを断るんですか?」



「名前。ちゃんと人の気持ちは大切にしないと」



『やだやだやだやだやだーーー!!!!
そんな恭弥センパイやだぁあ!!!』



「ちょ、どうしたの名前……?」



『恭弥センパイは、そんなコト言っちゃヤダ……』



「………」









恭弥センパイも骸も黙り、静かな空気が流れる。







だってヤダよ……。恭弥センパイが他のダレかにそんなコト言うのは…………









すると、私の心を表すかのように、雨がポツリポツリと降っくる














私達は、濡れた体で取り合えず校舎の中へ入った。












『恭弥センパイも、骸も……
濡れたままじゃ風邪引いちゃいますよ……』



そう言って、名前は雲雀のビショビショのブレザーを脱がした。









『どうぞ恭弥センパイ……。
学ラン着ていて下さい……』







無言で学ランをとる雲雀















…………我が儘ばかり言うから嫌われちゃったかな………


うぅ…………泣きそう………












バサッ







荒々しく学ランを羽織る雲雀








「……………名前…………」



『………はい……?』



「……なんで南国果実と一緒にいるの?」



『…はい……………………はい?』



「どうして六道骸と一緒にいるの?」



『え……?いや……え?』



「それに僕、応接室にいたハズなんだけど、なんでこんなトコにいるの?
ビショビショになってるし」







ウソ…………



恭弥センパイ……
記憶が……………



いやいやいやいや
無いだろ。有り得ないってば








…………まさか学ランじゃなくて、ブレザーを着たら恭弥センパイ性格が変わる………の……?









『……プッ!………
有り得ねぇえ!マジ有り得ないわぁ……』



「「なにが?」」



『いえ!なんでもないです!
帰りましょうか!恭弥センパイ!』





堪らなくなって私は恭弥センパイに抱き着いた。






「わっ、名前!?どうしたの?」



『ふふ!やっぱこっちの恭弥センパイの方がイイや』



「こっちって、どっち?」


『あ、骸。これからは仲良くしよーね!』



「!!!名前!?ソレは本当ですか!!?」



「ちょっと名前。目の前で堂々と浮気宣言?」



『心配しないで下さい!私が愛しているのは恭弥センパイだけですから!』






そう言ったら恭弥センパイの顔がかすかに赤くなった。



あぁ、やっぱり恭弥センパイはこのままがイイ







本当に大好きですよ!!













-End.














アトガキ(訳分からんorzまぁ、ひばりんはブレザーを着たら優男に変わるというバカな設定でした。)


 
 
 



[*前へ][次へ#]

4/5ページ


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!