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A!?
考え事とワープ



「しかし、よく無事だったよなぁソル」

「?崖から落ちたん?」

「う、うるせぇよ!」

「ソルは必死だったんだよなぁ〜陽菜ちゃんが心配で」

「違うっスよ!俺は……」

「…………」

落ちてきた崖の前に来て彼らは話し出すが、私はさっきのことで頭がいっぱいだ。

(誰だったんだろう……なんか……)

「違うからな!」

「え?」

「俺は別にお前を心配してたわけじゃ…………?どうした陽菜ぼっーとして」

「え……」

顔が赤かったソルト君は私の顔を見ると真剣そうな顔にかわる。

「?なんださっきの不思議な現象気にしてるのか?」

「え……あ……」

(それも気になりますが……)

さっきのわからないものに助けられたのも気になるといえば気になる。だが、一番今気になるのは思い出した人のことで。

(ほんの一瞬の記憶のことを言われたら困りますよね……)


「気にしてるのか?って……ソルお前はもう気にしてないのかよ」

「え?まぁ……気になるちゃ気になるっスけど……うさぎの言う通り答え出ないのに考えても無駄つうか。」

「無駄……」

確かに考えても無駄かもしれない。でも……

「そうそう今は無駄」

「……今は……え、今は?」

「そ、今は。……もしかしたらさ今後はわかる時が来るかもしれないだろ?なんかあってさ。だからさ」

「……」

「その時までゆっくり待つってのもいいんじゃねって思って」

(わかる時が来るかもしれない……)

この一瞬の記憶に出た人がわかる時が……?

「まぁ、そのままわかんねー時あるかもしれないけどそれはそれでしょうがないってことで」

「自分、適当やな」

「うるせぇよ!うさぎ」

「うさぎやない!三月うさぎや!」

「あーはいはい。三月うさぎ」

「おん」

「なんなんだよ」

ソルト君は呆れたように唯是君に言う。

「そっか……」

「ん?」

「そうですね……いつか……わかる時が来る……わかりました。今は考えるのはやめます」

「お!そうか」

ソルト君は嬉しそうな顔をした。今はやめるけど、いつかその時が来たならば……その時が……

(その人と出会いの時がいいなぁ……)

そして、記憶もその時思い出せればいいと願った。


「話が終わったところで崖さっさと上がろうか」

「上がろうかって……のぼる気か?陽菜なんてスカートだぜ」

「が、頑張ります」

「いや……お前は頑張っても……とにかく遠回りでもいいから道でも探したほうが」

「スキル!ワープ!」

「へっ?ワープ?うわっ」

唯是君が手を地面に当てると魔方陣が描かれる。

「な、なんだこれ?」

「自分これに乗れ」

「はっ?なんで」

「おっもしろそー」

「うわっ!」

ちろる君がソルト君をドンッと押し、ワープへと移動させると光だし……

「!?な、なにが……うおっ!」

「ソルト君!?」

ソルト君が消えた。驚いて唯是君を見ると唯是君は上を見上げてたので見上げるとそこにはソルト君の姿があった。

「あ、なるほどこれがワープか!」

「崖の上に移動したんですねぇ。便利な能力ですね」

「せやろ。帽子屋が作ったスキルのひとつや」

「帽子屋が……へぇ……すげぇじゃん」

「せやろ。自分ら乗って移動しとき」

「おう!行こうか陽菜ちゃん」

「はい!」


ちろる君の後を私は追い掛けた。




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