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駄文
Welcome to the Wonderland 2 (アリスパロ)


「……さて、どうしたものか」




 私は行儀悪く胡座を掻いた足の上で頬杖を突く。

 スカートが煽られて邪魔だけれど、別に見ている人がいるわけではないから気にしないことにした。
(この服装は決して私の趣味ではないからな…!母様の趣味だからな…!)


 ふと、周りを見遣れば特に何もない。

 いや。
 何もないというより、私が落ちていっている所為か、何があるのかよく見えないのだ。



 …………そう、私はあれからずっとこの薄暗い穴の中を落ち続けている。

 最初こそ浮遊感に慣れず、気持ち悪くなっていたが、今ではもうすっかり慣れてしまった。

 これが、結構心地がいい。
 翔んでいるみたいで。

 けれど、それも段々と飽きてきて、私は下を見遣る。
 だが、やはり先なんて全く見えやしない。



 あぁあ…いったいいつになったら地上(いや、地下か)に着くのだろう。
 というか、家に帰りたい。

 テッドにご飯をまだあげていないから、きっと腹を空かせて鳴いているだろうし。
 私もまだおやつを食べていない。

 母様が、今日は苺タルトを作ったと言っていたのに…。



 私が急にいなくなって心配しているだろうか…。



 だいたいなんで私が落ちなければならないんだ。
 あぁそうだ、私をこんな穴へ突き落としたあの変態兎の所為だ。
 まったく、本当に最悪だ。



 あの、変態糞兎…!!



 そう叫ぼうとした瞬間、どすんっと、あまり痛みを感じずに、唐突に底へと辿り着いた。




「…ここ、は……?」




 辺りを見回してみると、そこは小さな部屋だった。

 こんな地下深く(しかも、家の敷地内)にこんな場所があったなんて…。


 上を見上げてみたが、私が落ちてきた穴なんて遠すぎて見えやしない。


 私はまたどうしたらいいか判らなくなって、
 辺りをぼんやりと見回しながら考えあぐねていたら。




「遅れちゃう遅れちゃう!」




 あの声が、聞こえた。



 私は咄嗟に慌てて振り返る。

 そうすれば少し離れた所に、私を穴に突き落としてくれたあの変態兎が慌てたように駆けていて。




「――ぁ、こら待てっ!」




 言ったよな!
 殴ってやると!

 だから殴らせろ!



 慌てて彼を追い掛けるが、彼は壁に掛けられていたカーテンをめくり、その奥にあった扉を潜っていってしまった。

 私が追い付いた時には既に扉は閉まっていたのだが、私はそこで眉を顰めてしまう。





「…………ちっさ」





 そう。

 あの兎が通っていった扉は明らかに小さすぎる。
 こんなの、どんなビックリ人間だって通れっこない。

 しかも鍵が掛かっているし。




「あいつ、こんなに小さかったか?」




 庭で見た時は私よりも背が高いように見えたが、どういうことだろうか…。

 また私は考えあぐねてしまい、他にドアがないか辺りを見回してみた。


 探してみた結果、いくつかドアはあったけれど、やはりどれも鍵が掛かっていた。




「――あぁもう…!」




 八つ当たり宜しく壁を蹴り飛ばす。

 こんな所、母様と父様に見られでもしたら大目玉を喰らってしまう…。


 少し冷静になって、蹴ってしまった壁をそっと摩り、
 けれど外に出る方法を見つけられず、溜息を吐きながら壁に寄り掛かった時。




 ミシッ…


「ぇ」




 壁が一瞬軋んだあと、





 バキッッッ





 壁が抜けてしまった。






「……自分が馬鹿力なのを忘れていた…」




 壁を下敷きにしたまま倒れ込んだ外の世界は、太陽の光に包まれた、眩しく、美しい森の中だった。





(この壁、やはり私が弁償しければいけないのだろうか…)






To Be Continued...?





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もとのストーリー無視ですすいません;;

ケーキとか扇子とか出したり、水を流れていく場面とか描きたかったんですが、それだとなかなか進まないしキャラも出ないし。

あと個人的に、まんま原作を沿ってたんじゃ詰まらないかな…と。


原作通りが好きで、それを期待していた方、すみませんorz




宜しかったら1言でもいいので、感想とか頂けたら嬉しいです☆
恐々やってるし、活力にもなりますので……(;´д`)





10,01,31




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