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03







朝、いつもより早く目覚め、ちゃんと謝るぞと決意して自宅を出た。

しかし、相手がどう反応するのか気になり、アカデミーでの授業が上の空になって子供達に注意されてしまった。

・・・落ち着けって、自分。

昼飯もあまり食べれなくて、朝から何回目かのため息を吐いた。


「・・・・・・ン?」

微かに、いつもの見られてる気配を感じ視線で回りを見回す。

こんな時に・・・

いつもの苛々がはたけ上忍に謝るという事で、尚更強まり思わず声が出てしまった。

「すみませんが!どなたかわかりませんが、何ですか!?いったい!」

何処に向けるともなく、声をあげると後ろから少し戸惑う気配を感じて、今だ!と飛んだ。

「そこかっ!」

多分俺より格上だけど、これはある意味ストーカーだ。
注意しても良い筈だ。

まさか相手もいつも黙ってた俺が、飛び込んで来るとは思っていなかったらしく動けないでいた。

「アンタ!最近ずっと付けてるだろうっ!?いったい何なんだ・・・・あ、・・・・・え?」

意地でも捕まえてやると思っていたため、相手の上におい被さる形になってしまい怒鳴りながら下を見ると、見た事のある白い髪の毛が目に入った。

「・・・あ、・・・れ?」

うつ伏せになっている相手からソーッと手を離し、今度はじっくり見る。


髪の毛は白というより、銀色で、うつ伏せでもわかる独特の額あての付け方、そして里の中だというのに顔を覆っている口布。


はたけ上忍だった。

「・・・えっ?・・・ええ!?」

バッと飛び、上から退けると相手はガリガリと頭をかきながらゆっくりと起き上がった。

・・・えっ!?ちょっと、待て?・・・いや、だってあれはいつもの気配だった!
・・・な、何ではたけ上忍がっ!?
俺の勘違い?・・・いや、だってあれは・・・
間違いだったら、それで良いが・・・いつも見ていたのが、はたけ上忍だったら・・・!?
いやいや、だって何でだよ?

頭の中が色んな疑問符が飛び交い混乱している俺を余所にはたけ上忍はモゴモゴと小さく呟いた。

「・・・いつ声をかけようか、迷ってまして・・・」

「・・・・・・な、何を?」

頭の中は真っ白なのに何故か彼の話す言葉に返事をしている。
でも、それ以上聞くなと体が言っている気もした。
ゆっくり後退りしながら、視線だけは前にいる男に向けている。
いつもの飄々とした態度がなく、なんとなくもじもじと視線を漂わせている彼に嫌な予感が湧く。

一般的なストーカーという存在は、自分はした事はないが話を聞くかぎり、相手に異様な執着を抱き行動するという。

つまり好きの延長な訳で。

いや、まさかな。
それはないって・・・。
ありえないから。だって、木の葉一の忍びと言われる人だぞ?エリートだぞ?
・・・そんな事より、根本的に何かがおかしい。
だって、俺は男で相手も男だ。


「初めて会ったのは子供達に紹介された日です」

「・・・はぁ、・・・あの日ですねぇ・・・」

「いや、何て言うか、その時からなんですが・・・」

「・・・・・・・・・何を?」


これ以上は聞くな。

マズイ事になる前に誤魔化して逃げろ。

「・・・イルカ先生・・・と呼んでもいいですかね?」

「・・・・は、はい」

「・・・イルカ先生」


駄目だって、逃げろよ!






「イルカ先生、あなたに一目惚れしました。・・・恋人として、付き合ってもらえませんか?」



・・・ああ、何て事だよ。



やっぱり聞かなきゃ良かったと、ガックリ肩を落とした。











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