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04







「・・・・・・好きなんです。付き合って下さい。」


さっき言った言葉に何の反応も示さないでいるとはたけ上忍は聞こえてなかったのかと判断したらしく、今度はハッキリゆっくり言葉を吐いた。




・・・いや、聞こえてるから。

ただどう対応して良いのかわからず硬直してただけで。

・・・いや、そうではなく。
違うだろ。

何かが間違ってる。




「・・・・・・あの、・・・俺、男ですが・・・」

「わかってます」

「はたけ上忍も男ですよね?」

「はぁ、そうです」



里外任務でよくある話として、任務先で女が不足してる時は格上の忍が格下の者に閨の相手をさせる場合がある。
でも、それはその場かぎりの事で里に帰ってきたら勿論女の方が良いし、格下の者だって強制的にした事を里まで引きずられても困る。
俺も中忍になりたての頃は里外任務に行っていた。閨の相手に指名された事がないのかと問われれば、無いとは言わない。だけど、自分で認めるほど器量が良い訳ではないし、女の様に扱いたいのであればもっと綺麗な顔の忍の方が良い訳で、結局は手淫だけで済んでいた。
当時は不条理だと思っていても、それは任務の一つだと割りきっている部分もあった。


・・・そう、それは任務で、里の外の事だったからだ。


今は、里の中。

周りは女が沢山いる。

前の男はエリート忍者で。

しかも、男だ。


・・・俺だって、男だっ!



・・・ありえねぇーーー!!!


まず、俺に惚れるという事自体がおかしい!
今考えた事から何故俺に来たのかも変だしっ!!




「・・・す、すみません!・・・は、はたけ上忍っ・・・」
「カカシです」
「・・・・・・はっ?」
「カカシって呼んで下さい」
「や・・・あの、カ、カカシ上忍・・・あのですね?」
「はい!何でしょう?」

・・・うっ、何でいきなり顔が輝いてんの?


いや、それより、まずは確認を。


「・・・あの、昔、同じ任務に就いた事はあったでしょうか?」

「・・・はっ?いや、記憶の中では無いですねぇ」


・・・よし、昔、相手をしたという訳ではない様だな。

疑問の一つは解決して、小さく息を吐いた。
だが、これで終わりではない。
これが、重要。

「・・・あの、最近、俺を見ていたのって・・・もしかして、カカシ上忍ですか?」

俺の質問に本人だったら気まずくなるだろうと思っていたのに、予想外にカカシ上忍の唯一見えている右目辺りがみるみる赤くなっていった。


「・・・・・・は?・・・あの、な、何で・・・」

彼が何故照れるのか意味がわからず頭が、混乱してくる。


「いやぁ、最初は見てるだけで良かったんですが・・・」

・・・やっぱり彼だったのかっっ!!


俺がショックで呆然としている事なんてお構い無しに、彼の話はまだ続いている。

「・・・でも、昨日アンタが別な男と歩いているのを見て、嫌だと思ったっていうか・・・だったら、気持ちを打ち明けた方がいいかなぁ・・・と」




・・・何か、よくわからん。

もしかしたら、よく理解すれば、わかるのかもしれないが、頭の中が拒絶していて、言葉を受け入れない。

「他の奴に渡したくないと思っちゃったんですよねぇ・・・」

ガリガリと頭をかいていた手を止めて俺を見た。


・・・渡すとか、打ち明けるとか・・・
なんだ?それって・・・







「・・・だから、俺の恋人になって?」






・・・・・・絶対無理だっっ!!!




三回告白され、漸く頭の中で出た答えを叫べば良かったのに、何故か俺はもうスピードでその場から逃げ出した。














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