easygoing 「…で、そこの砂までとってたら日が暮れちまった、てわけか」 「うんそうそう」 そうそう、じゃねーだろうが全くオイ!おかげで今何時だと思ってるんだよ!? しかしボールの縫い目の砂までとれって…。あの野郎、マジでどっか切れてるんじゃないのか? 「よくそこまで出来るなてめー…」 「いやァ、それがやり出すと凝っちゃってなぁ。遅くまで待たせて、すまんすまん!」 呆れて物が言えない。 どうしてこうもお気楽でいられんだコイツは。 悔しいとか辛いとか、そういう感情がないのかよ? お前、それで本当にいいのか? 「…なんでそんなむっつりしてんのさ?」 「別にィ。てめーみてーなお気楽野郎にはわかんねーよ」 「お気楽野郎ってなにさ」 「いっつもお気楽、へらへらしてて羨ましいって話。秘訣を教えてほしいもんだね」 あ、不愉快な顔した。ちょっと皮肉が過ぎたか? けれどそれはすぐにいたずらっぽい笑みに変わって、俺に尋ねた。 「じゃあ、俺がいつもお気楽でいられるワケ、教えてやろうか?」 「あん?」 「ホーマーのおかげ」 ばっきゃろー!!んなことイキナリ言ってくんじゃねーよ!! 「じゃあな!また明日」 俺が返答する間もなく、パンサーは闇の中へ駆けていってしまった。 なるほど。そういうことかい。 「人のせいにしやがって…」 顔が熱をもっている。 頬が緩みそうになるのを必死で堪えながら、俺も帰路へ向かった。 END ********************* パンサーはいきなり殺し文句を吐くんだそうなんだ。ホマの一人称ばっかですね。多分これからもそうです(ぉぃ) |