×Atobe
骨の髄までしゃぶり尽くして2
−コンコン
音楽室の重厚な扉をノックする跡部。
「入りたまえ」
「失礼します。監督、お呼びでしょうか」
至急、音楽室へくるよう部員から伝言を受けた跡部。
部活後の練習もそこそこにして、音楽室へと向かい今に至る。
許可を経て入室し、用件を伺う。
「来たか、跡部」
いつもより更に重たい空気を感じる音楽室。
指導力、カリスマ性、例え尊敬している先生とはいえ、何か危険を察するような気配を感じる。
少し緩やかに口角をあげた榊が身体を動かして跡部と向き合う。
「ちょっと、跡部に頼みたいことできてな」
「はい、僕にできることでしたら…」
「無論、キミに、いや跡部に"しか"できないことだろう」
「…はい」
跡部を見据える榊の目には仄暗い光がともっていた
まずは済まないがカギをかけて、ピアノの前に立ってくれ。
よほど重要な話だと勘違いした跡部は言われた通りにカギをかけピアノの前に立つ。
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