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「れーちゃんー!起きて起きて!!」
『ん……、ゆ…、え…?』
身体を揺さぶられ、微かに目を開く。太陽の光が自棄に眩しい。
ゆっくり上体を起こして月を見つめる。
「もうっ、今日は文化祭最後の準備だからねって昨日言ったのに!」
『え、あぁ…。ごめん。』
早くと準備を急かされ、慌てて着替えと歯磨きと顔を洗う。
……残念ながら朝食は抜き。
そういえば、うちのクラスは何するんだっけ。なんて未だ寝惚けてる頭で考えながら教室へと急いだ。
「はい、これ。」
『………え?』
渡された白黒の(割合的に黒が多い)、多分衣装をまじまじと見つめた後で渡してきた張本人を見つめる。
目の前の奴は何故か笑顔。
「昨日説明したでしょ?」
『説明………。』
されたっけ?
思い返してみても説明を受けたことなんて全く覚えてない。
と、なると…。
「取りあえずこれに着替えて?」
『いや媛乃…、私は、』
「き が え て ?」
有無を言わせない笑顔に勢い良く首を縦に振った。
仕方なしに周りを見渡すと、更衣室と手書きの看板を発見。
そして近くにいたクラスメイトに声を掛ける。
『此処って、』
「はい。お着替えされますか?零様。」
こくりと頷くと中へと促された。
どうやらカーテンで仕切られているだけらしい。
外からの声がだだ漏れだ。
「零様が着替え中です!近づかない様に!」
「なに!零様が!?」
「あの衣装は私がデザインしたのっ。」
「きっと素敵なんだわ!早く見たい!」
聞きたくなくても自然と会話が耳に入ってしまって、着替え終わったはいいけど出にくくなった。
どうしたものかと悩んでいたら外から声が掛かった。
「零、終わった?」
『…まぁ。だけど、』
言い終わらない内に勢い良くカーテンが開く。
其処に居たのは案の定媛乃。
カーテンを開けた瞬間、クラスメイト全員が此方に目を向けたのを見て、顔が引き攣った。
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