静と動、そして熱 言葉にはすべて、速度と熱と強度が存在します。 物語がひとつのコーナーで、文章が車ならば、早い雰囲気を持つ言葉がアクセルに、遅い雰囲気を持つ言葉がブレーキに。 熱い雰囲気を持つ言葉が燃料に、冷たい雰囲気を持つ言葉が冷却水に。 強度の雰囲気を持つ言葉がボディです。 それら「静と動、熱、強度の雰囲気」は漢字、平仮名、片仮名だけでなく記号にさえ存在します。 「すぴーど」より「スピード」の方が早く、 「疾駆」より「駆ける」の方が遅い。 「すずきさんはいぬです」より「鈴木さんは犬です」の方が冷たく、 「猫です」より「猫ですっ!」の方が熱い。「つ」より「っ」の方が素早い。 「かつかいしゅう」より「勝海舟」の方が硬く、 「勝海舟」より「カツカイシュウ」の方が硬く、 「かちゅかいちゅう」だとちゅうちゅうたこかいなー。 ともあれ、言葉ひとつひとつには雰囲気があります。それを見定め、理想のレースを目指す必要があるのです。 [*前へ][次へ#] |