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夏ホラーレビュー
eleven-9「アルテルナリア」
傷つけるつもりはなくても。
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 夏ホラーを皮切りに次々と活躍する作者。イラストも手がける彼が用意したのはふたつの作品。一方はなぞなぞを組み合わせ惹き付け、まるで読者が恐怖を本当に体験しているかのような構成に落とし込むという、非常に巧みな物語だった。
こちらも巧みだ。だが、性質はまったく異なっている。まず第一として、物語の語り部はとても愛嬌があり、少しスケベだ。第二に、語り部がユニークなので読者はほのぼのとした気持ちで読み進めることが出来る。第三に、語り部は人間ではない。そんなわけで読者はゆるゆると物語を楽しむのだが、あるシーンで思いも寄らない衝撃を受ける。そして最初の流れが緻密な罠であることを知るのだ。
一方はなぞなぞで、一方はほのぼので罠をはり、恐怖へ陥れる。なんとも小粋な作者だろう。
さて遅くなったが、物語の粗筋を。
主人公は○○○○だ。
 ……主人公の正体を知りたい方はぜひ物語の扉を開いて欲しい。きっとあなたは、あることを確かめたくなるはずだ。ある部分を美しくしなければと思うはずだ。
 それこそが、物語の最大の罠である。



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