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夏ホラーレビュー
久浄要「真夏の蜃気楼」
その闇に、巻き込まれたもの。
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 推理畑に腰を置く作家が自身の味わいを生かし、サスペンスとミステリーの色合いを取り込んで上質に練り上げたのがこの作品だ。推理好きな人間には堪らないポイントを抑えつつ、推理はあまり読まない人間にも優しいエンターティメント性を備えている。
 大学では犯罪心理学専攻の主人公は美人でありながら夢遊病に悩まされ、恋のチャンスにすら恵まれていなかった。そんな彼女はある日、友人から合コンに誘われる。合コンのつややかな雰囲気にほだされ、男性の自宅へ招かれるのだが、そこには大きな恐怖と謎が口を開けて待っていたのだった。
 女性的な視点を交え、重厚ながら時に軽やかな作品に仕上がっているので、読者への門戸は大変広く出来ている。キャラクターも骨太な刑事や顔の整った大学教授など、とても豊か。
ぜひ安心して物語に飛び込んで欲しい。


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あきゅろす。
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