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夏ホラーレビュー
風海南都「夏兎」
それは光に隠された闇。
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 主人公は不幸にも次々と家族を失っていた。家族を奪った不可解な事件は未解決のまま、墓参りに里へ戻る。里では祭りが開かれていた。そんな中、主人公は弟と祖父が亡くなる根幹である闇に触れる。真実はあまりにも冷徹なものであった。
 日本の田舎特有の閉鎖的な闇。それを鮮やかに切り取った骨太な作品だ。
 しっかりとした情景描写は、ありふれた片田舎を色彩豊かに思い浮かべさせてくれる。お盆、お囃子、といった昔ながらのものも美しく、物語を芸術的に高めている。
 だが、そんな田舎の良さに身をゆだねていると痛い目をみる。それほどに明らかとなる真実は残酷そのものだ。人の欲望に直結したそれは醜く、あなたの心にかつてない深い傷と悲しみを与える。
この作品はホラーでありながら、ある一種の問題提起作品である。美麗な着物に身を包まれているが、問題は夢見心地の心を一気に覚ますだろう。それこそが作品の目的なのかもしれない。ギャップにより明確に、問題は心に残るからだ。
真に恐ろしいみやげ物である。


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あきゅろす。
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