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夏ホラーレビュー
古川まこと「訪問者―noise―」
まず、足跡が聞こえた。
読む
 主人公は口調が明るく、エアコンも買えないくらいの庶民派です。そんなわけだから、なんだか友人の家に遊びに来たようなラフな感覚で読むことが出来ます。全体的にコメディ調な文章。
 ですが怖がらせるところはきっちり、怖がらせてくれました。

 広いだけがとりえのクーラーもない部屋に住む主人公。彼は、ざざざ……という、足をするような音で目が覚めた。それはなにやら、ベランダから響いてくるらしい。見つめ、彼は目を見張る。そこには見知らぬ女が立っていた……。

 主人公のベランダに現れた白い女。彼女の正体はなんなのか。それを解明する主人公。しかし謎の解決はある意外な恐怖へと繋がっていきます。
 きっと読者の多くは驚き、恐怖するでしょう。何故ならその恐怖は誰にでもあるかもしれない恐怖だからです。読み終わってからまずあなたは、耳をすませてしまうでしょう。そして、恐怖の確認をしてしまう。
 現実に繋がる恐怖世界。その扉を、簡単にこの物語は開けてしまうのです。

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